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私の顔を見て一瞬焦ったような顔をした彼女は、余裕そうな笑みで食いさがった。
al｢まぁ、初めまして！確か入学式でスピーチをされてた方ですよね？お名前は…｣
『この国の将来を約束されている私のことを忘れるなんて、あなたどうやってこの学園に入ったの？貴族間では知ってて当然のことよ？』
何ともまぁ、癪に障る新入生だ。
貴族なのに私の名前を知らない、更には一般常識も知りえないなんて教育を受けていらっしゃらないのかしら。可哀想。
でも、一応先輩としてだめなことはだめだとはっきり教えて差し上げないといけないわ。
『それはいいとして、あなたのお名前を教えてくださる？』
al｢私はアルベルタ･ニートリッヒと申します。代々繊維に流通している家でして…｣
『あぁ、あの没落したと噂の？知っておりますわ、だって』
あなたの家の繊維を買っていたのは私の家だから。
そう伝えれば、その大きな瞳を更に見開いて何も言えなくなった。まさか、自分の家の繊維を買っていた人間が目の前にいるとは思わないだろう。
そもそも対価交換が出来ないほどに粗雑な繊維をお金になるようにしていたのは私なのだ。
そんな相手に無礼を働いた彼女は、一体どうなるのか。
『あなたのお家が良い暮らしを出来ていたのは、誰のおかげかお分かりになりまして？更には、婚約者のいる者に言い寄るなど言語道断。貴族たるもの、その常識も知らないのは如何かと。』
gr｢A嬢、その辺にしておいてやれ｣
『あら、つい。優しさのつもりで言ったんですよ？何も新入生をいじめてやろうだなんて思ってません。ただ、上の者への態度は改めた方が身の為ですわ。さぁ、グルッペン様行きましょう。』
アルベルタ･ニートリッヒの言葉など聞くまでもなく、その場を後にする。
gr｢すまん、助かった｣
『いえ。本当は口を挟まない方が良かったはずなのにすみません。』
gr｢A嬢が謝ることはない。執拗く言い寄られて困っていたんだ。それに、珍しく君からアプローチしてもらえて嬉しかった｣
『…別にそんなつもりは』
違うと言っても優しく微笑み返すだけの彼に顔を見られないようそっと背けるが、くつくつと笑うだけで何も言ってこない。
この人は、本当に昔からこうだ。
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ちぇる(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです。こちらこそ読んでいただきありがとうございました！ (2022年10月31日 18時) (
レス) id: f71e4746a6 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 完結おめでとうございます〜！！悪役令嬢もので1、2位を争うくらい好きで、夢主ちゃんの性格も本当に好きでした！！楽しい時間、ありがとうございました！ (2022年10月31日 18時) (レス) @page47 id: 139b3f8cfd (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - あいかわさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけてよかったです！ (2022年10月31日 14時) (レス) id: f71e4746a6 (このIDを非表示/違反報告)
あいかわ(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後まで楽しく拝読させていただきました。これからのご活動も陰ながら応援しております！ (2022年10月31日 12時) (レス) id: 339f3cd750 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - ゆるぽろうさん» ありがとうございます！ずっと悪役令嬢ものは書きたかったので、今回書けて良かったと思っています！ (2022年8月18日 8時) (レス) @page4 id: f71e4746a6 (このIDを非表示/違反報告)
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