検索窓
今日:3 hit、昨日:22 hit、合計:91,924 hit

15 ページ17

***

起きた時には彼の肩に寄りかかっていて、彼自身も眠っていた。時間を見れば五限目ももうすぐ終わるところだった。
授業をサボってしまうなんて、何たる失態。

こんなの両親にバレたら…。

『とにかく、起こさないと。グルッペン、ねぇ起きて。五限目が終わるわ。』

揺すっても起きる気配はない。
どうしよう、流石にトントンもいないだろうし。寝起き…はあまり良くないんだった。

『…起きてくれたら、きす、するのになぁ』

gr「ん、何だA…。起きてたのか」

『寝たふり?本当にこの人は…』

gr「む、何だ。起きたのにしてくれないのか」



そんなの、起こすための嘘に決まってるじゃない。



そう言おうとした時、眼前に彼の顔が迫っていた。

『…は、』

gr「言うたことはちゃんと実行してくれよ。仕方ない、五限目は俺が何とかする。六限目から出よう」

『ち、ちょっと!いま、何を…』

唇に何かが触れた。
一瞬のことすぎて驚きでしかないが、きっと彼は私にキス、をしたのだろう。

でも、何故。彼はそういったスキンシップはしないって言ってたのに。

gr「…起きてる時にやらな意味ないからな。いつまで座ってるつもりだ、行くぞ。」

『あ、ちょっと…!』

慌てて彼を追いかけるが、顔の熱が治まってくれない。パタパタと手で扇いでいれば、余裕そうな表情で彼が笑いかけてくる。

gr「あのアーデル家のご令嬢も、随分初心な反応をするんだな。」

『あ、当たり前でしょ?!だって、あなたが初めてだから…。』

gr「は、…俺の気が持ちそうにない。どうしてそんな、可愛いことを言うんだ。」

『可愛…?!違うわ、そんなつもりはないのよ。あなたと婚約してるのに、他の人とそういう経験がある訳ないって話!もう、先に行くから!』

あぁ、嫌だ嫌だ。信じられない!
初めてのキスだったんだ、そりゃあ顔を赤く染めてしまうだろう。余裕だってなくなる。

言わないであげただけで、あなただって耳を染めてたじゃない。

16→←14



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (203 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
387人がお気に入り
設定タグ:wrwrd , d! , gr
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちぇる(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて本当に嬉しいです。こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2022年10月31日 18時) (レス) id: f71e4746a6 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 完結おめでとうございます〜!!悪役令嬢もので1、2位を争うくらい好きで、夢主ちゃんの性格も本当に好きでした!!楽しい時間、ありがとうございました! (2022年10月31日 18時) (レス) @page47 id: 139b3f8cfd (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - あいかわさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけてよかったです! (2022年10月31日 14時) (レス) id: f71e4746a6 (このIDを非表示/違反報告)
あいかわ(プロフ) - 完結おめでとうございます!最後まで楽しく拝読させていただきました。これからのご活動も陰ながら応援しております! (2022年10月31日 12時) (レス) id: 339f3cd750 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - ゆるぽろうさん» ありがとうございます!ずっと悪役令嬢ものは書きたかったので、今回書けて良かったと思っています! (2022年8月18日 8時) (レス) @page4 id: f71e4746a6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちぇる | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年8月17日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。