深夜一時 ページ32
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何だか眠れなくて、庭でも見ようと襖を開けた。月明かりに照らされた庭には、ひとらんさんが育てたのであろう花々が咲いている。
私の育てていた花たちも同じように並んでいて、この前も一緒に水やりをしたところだ。いつも起きてすぐに水をあげるようにしているが、私が起きる頃には既に綺麗な雫がついている。
『…』
本当に綺麗に手入れされた庭だなぁ。精神的に落ち着けるというか、夜風はまだ暑いけど全然過ごせるなぁ。
?「…お前こんな時間に何しとん」
それはあなたもでは?とは思ったものの、いきなり話しかけられて驚かないわけもなく。分かりやすく肩が跳ねた。
『びっくりしたぁ…。』
?「こんな真夜中に外出るなよ」
『…眠れないこともあるんです。コネシマさんこそ、こんな時間にどうしたんですか?』
kn「俺は見回りやな。お前みたいなか弱い女急に襲われたら逃げれんやろ。」
もう少し言葉遣いとかどうにかならないものなのか。相変わらず威圧感がある人だなぁ。
『まぁ、そうですけど。みなさん的には都合がいいんじゃないですか?私がいない方が生活しやすいでしょうし。』
kn「…本気で言うとんか?」
本気も何も、そうじゃないか。突然転がり込んできた女なんていない方がいいに決まってる。
まぁ、半分本気半分嫌味だけれど。
kn「別に、おらん方がいいとか誰も思っとらんわ」
『コネシマさんは私がいない方がいいのでは?』
kn「は?」
『正直私がいるの嫌そうな顔してますもん。』
kn「…そんな顔してへんわ」
いやいや、分かりやすく顔顰めてるじゃないですか。流石に分かりますし、申し訳ないなって思いますよ。
ほら、黙り込んだ。本当に嫌なんだろうなぁ。
kn「別に、嫌とか思ってへんわ。ただ、どう関わっていいんか分からんだけで…」
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