【d!】最低な祝福、キスを落として。 (ページ29)

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記憶ページ29

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彼らに連れてこられたのは、幼い頃によく来ていたであろうショッピングモール。両親と一緒に来ては、ぬいぐるみや洋服などたくさん買ってもらった記憶がある。

『どうしてここに？』
ut｢ん？いや、だってAちゃんもそろそろリフレッシュしたいんちゃうかなって思って。｣
sha｢近くに遊べるとこあんまないもんなぁ。｣

リフレッシュか。別に気にしなくてよかったのになぁ。でも、その優しさが暖かくて嬉しい。

『…ありがとうございます。』
ut｢ん？別にええよ。｣
sha｢連れてきたん俺やしな。｣
ut｢ごめんやんシャオちゃん！許して！｣
sha｢お前の奢りな？さ、行こかA｣

シャオロンさんに腕を取られてモールへ向かう。後ろでうつさんが待ってと叫んでいる。この人たちは、どこにいても変わらないな。

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『あの、こんなに買わなくっても…』
ut｢俺らからのプレゼントってことで。な？貰っとき｣
sha｢あんまり外出してやれんから、その代わりにしかならんけどね｣
『すみません、わざわざ…』

彼らは、私が見たものを手に取って直ぐに買うものだから申し訳なくて伸ばしかけた手を取った。
本当に、気にしなくていいんだ。外に出られないことなんて特に気にしていない。むしろ、快適な環境で課題が出来るし。

それに、私がこの人たちに助けられて守られているんだから言いつけは守るし、破るつもりはさらさらない。

ut｢まだまだ遊び盛りの大学生やのに、災難やなぁ。俺らに一切反抗もせんし｣
『…それは、まぁ。守られているので反抗するつもりはないですよ。ご飯作るだけでいいって言われてますし。』
sha｢はぁ〜。Aやっぱ健気でいい子やなぁ。ほんまに勿体ないわ｣
ut｢シャオちゃん？しー！それはあかんて｣

急に顔を青くしたうつさん。シャオロンさんが何かまずいことでも言ったのだろうか？彼に口止めされて漸く己の発言に気づいたのか、慌てて私に聞かなかったことにしてくれと頼んでくる。

彼らが焦る理由は分からない。