2.星に願いを ページ4
***
肌寒い夜。今日は一段と空気が澄んでいて、星にも手が届きそうな気がする。
何か考える時には、いつもこうして星空を眺めては心を落ち着けていた。
昔から、ずっと星が大好きだった。
星は何も言わない。言ってはくれない。だから、安心できた。
星の話ばかりしてつまらないと言われ続けた私を、優しく照らしてくれる。
誰に届けるでもない独り言を星に聞いてもらう。
『…』
gr｢またしてんのか。｣
『グルッペン。寒いのに出てきたの？』
gr｢お前が言う星とやらを見ようと思ってな｣
私の隣に腰を下ろして空を見上げる彼は、昔から何も変わらない。初めて出会った時から、私の話をずっと聞いてくれる人。
星の話だって、ちゃんと聞いてくれる。
gr｢こんなもん見て、楽しいんか？｣
『星は、すごいからね。楽しいよ』
gr｢ふぅん…。まぁ、綺麗やなぁとは思うけど｣
『星は何も言わないから、好きなの。』
きらきらと小さな光を放って空を泳ぐ流星。
その星たちを見るのが、私の夢。だけど、その星によってこの星は滅ぼされるかもしれない。
憎いとも思えなかった。
死ぬのはもちろん怖い。だけど、それも運命なんだと受け止めるしかない。死がここまで近づいてくると、諦めるしかないのだから。
gr｢…お前の話、よく分からんけど楽しそうに話してるからいいと思うぞ。｣
『えっ』
gr｢ほら、はよ入らんと風邪ひくで。…ん｣
『う、うん…。ありがと』
グルッペンは、たまに変なことを言う。
優しい顔で、何を考えているのか分からない。
心がギュッと掴まれているような感覚。
zm｢あ、おった！ふ、二人とも！｣
gr｢あ？ゾム、どうした｣
zm｢俺ら、助かるかもしらん！｣
『助かる…？』
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