【d!】落日を刻む (ページ13)

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11.待機組の時間潰しページ13

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工場勤務は、そう毎日ある訳ではない。
もちろん毎日行くことも出来るだろうけど、工場に向かうまでの道が長いため容易に行くことが出来ない。
だから、二日に一回のペースで五人ずつくらいで行くことにした。

毎日十人もの大人数で占領するのは憚られるし…。

ということで、今日は工場に行っているメンバーのためにクッキーを焼くことにしました。

『じゃあ、作ろっか！』

tn｢…ほんまに俺らで作れんの？｣

『ちゃんとレシピ通りにやれば出来るよ！』

kn｢とりあえずこの粉入れたらえぇやろ？｣

全員エプロンとゴム手袋を付けてキッチンに並ぶ。
そこまで広くはないので、細かく分担作業にはなってしまったけれど、これを機におやつ作りを習得してほしい気持ちがあった。

『待って待って。ちゃんとこの計りを使ってね。シャオくんは卵割ってくれる？』

sha｢分かった！……あ｣

em｢ちょ、シャオロンさん?!｣

ci｢力加減どないなってんの？｣

シャオくんに任せた卵はぐちゃぐちゃになってボウルに入っていた。

『あちゃー…。まぁ、まだあるし大丈夫だよ。エミくん見てあげてくれる？』

em｢分かりました｣

『チーノくんはバターをペースト状になるまで混ぜてくれるかな？』

ci｢頑張る！｣

何だかチーノくんは誰よりも弟っぽくて、ついつい甘やかしてしまいそうになる。
ボウルに入れたバターとヘラを手渡し、手持ち無沙汰だったトントンに声をかける。

『トントン、薄力粉は大丈夫そう？』

tn｢ちゃんとレシピ通りに計ったからいけるで。な、シッマ｣

kn｢おう！ちゃんと計ったで！｣

『すごい、ピッタリだ。ありがとう』

ここまでは何とか順調だ。
みんなに細かく指示して、一人でやらなければ案外サクッと作ってしまいそうだな…。
元々器用な人たちが多いし、その点に救われた。