太陽 ページ8
はぐれないようにと繋がれた手がとても熱い。
男の子と手を繋ぐことなんて幼稚園以来だし、しかも捏島くんはただのクラスメイト。
私が歩きずらいのも知っていてか、ゆっくり歩いてくれる。花火は多分見れないんだろうなぁ。
さっきチラッと時計を見たら、花火が上がるまで五分くらいだったし。
もし、来年も来ることがあるならもう浴衣でなんて着ないでおこう…。せっかく見に来るのに動きずらいのは嫌だしなぁ。
下駄の音を軽やかに鳴らし、目の前の背中を見つめる。割と、筋肉質というか。引き締まっているというか。
男の子なんだなぁ、と改めて実感した。
人混みを抜けて、少し開けた場所に着いた。
捏島くんはキョロキョロと辺りを見渡しながら進んでいく。その彼に手を引かれているため、私もついて行くことになるのだけれど。
『…捏島くん、どこ行くの？』
｢んー？いや、どの辺やったかなぁって｣
どうしたんだろうか。ここは、あまり人がいないため所謂二人きりの状態になる。
心臓がドキドキしているのは、もちろん夏のせいだし。顔が熱いのも、夏のせいだ。
｢…ここやな。よし。｣
『あの、捏島くん……わっ、花火が』
｢ほら、見えたやろ？｣
どうやら、彼はみんなが向かった場所ではないけれど花火の見えるところに連れてきてくれたらしい。あの場所で見るよりかは遠いけれど、それでも夜空に咲く花は綺麗に見える。
『わ…すごい。花火なんて久しぶりに見たなぁ』
｢…俺もやわ｣
『そうなの？』
｢まぁ、一緒に行くやつもおらんかったしな｣
少し、少しだけ彼の横顔は寂しそうに見えた。
そんな彼の横顔を見つめていると、それに気づいたのかふとこちらを見る。
目が合ってしまって、何だか恥ずかしくなる。目を逸らすと未だ繋がれた手が強く握られる。
『あ、あの捏島くん。そろそろ手…』
｢なぁ｣
『は、はい。…なに？』
｢なんで俺がさ、黒崎さん連れ出したと思う？｣
『え、それは…出店行きたいって言ったからでしょ？』
｢ふは、そんなんちゃうよ。｣
え？と声を出すと同時に左手を引かれて、彼の腕の中に収まる。
『え、あの…え？』
｢A｣
『な、なんで名前…』
｢…なぁ、すきやで｣
大きな花火が上がっても聞こえる。耳元で囁かれた言葉に体温がさらに高くなるのを感じた。
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大阪在住の通行人 - ちぇるさん、物語を書く時はしっかり調べて確認した方がいいと思いますよ... 湿度が高い方が暑いんですよ、しかもやでな？ってなんですか？ やんな？とかよな？が大阪弁的には相応しいと思いますよ。 (2021年7月17日 15時) (
レス) id: a713fe40a0 (このIDを非表示/違反報告)
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