太陽 ページ6
捏島くんにおんぶされたまま、来た道を戻る。
すごく、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。きっと、重いだろうし。ただでさえ暑いのに、私を背負ってるのだからもっと暑く感じていると思う。
『…捏島くん、ごめんね。重いでしょ？』
｢いや、別に重ないで。それより、下駄どの辺で脱げたん？｣
『あぁ、えっと…。あの辺、かなぁ。もしかしたら、誰かが端に寄せてくれてるかも』
｢分かった。｣
どうやら、落としてしまった下駄も探してくれるみたい。何から何まで、本当に申し訳ない…。
『…ごめんね、捏島くん』
｢ん？…気にせんでええよ。はよ、下駄探そな｣
『うん。何から何まで、ありがとう』
｢ごめんより、ありがとうの方が俺は嬉しいからな。ごめんって言うくらいなら、ありがとうって言うてや？｣
少しだけこちらを向いた捏島くんは、口元に笑みを浮かべていて。嫌々やっているわけではなくて、本当に善意で私を背負って下駄まで探してくれている。
本当に、優しい人だ。
恐らく下駄を落としてしまった場所に帰ってくるも、未だに人が多くて地面はよく見えない。
早く、探さなければならないのに。
捏島くんもキョロキョロとして探してくれている。彼とは反対の方を見渡してみるけれど一向にそれらしきものはない。
もう、ないのであれば諦めて帰った方がいいのではないかと思った時。
｢…あ、あれちゃう？｣
『うそ…。あ、あれだ。私の下駄』
｢よし、ほな取りに行こか｣
捏島くんが指さした方にぽつんと転がった片足分の下駄。柄などは分からないけれど、多分私のものだろう。
少しだけ急ぎ足で歩みを進める捏島くん。振動が大きくなって、彼の服を掴むと。
｢揺れるやんな。首に手回しててええから｣
私のことを思っての発言だとは思うが、それではさらに密着してしまう。
私だって汗をかいているし、彼だってそうだ。それに密着している分捏島くんがもっと暑くなってしまうだろうし。
｢黒崎さんが落ちそうになる方が俺、怖いから。掴まってくれ｣
『う、うん…。わかった』
ゆっくりと首に手を回す。彼は少しだけ肩を震わせたものの、何事もなかったように一点に向かい進む。
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大阪在住の通行人 - ちぇるさん、物語を書く時はしっかり調べて確認した方がいいと思いますよ... 湿度が高い方が暑いんですよ、しかもやでな？ってなんですか？ やんな？とかよな？が大阪弁的には相応しいと思いますよ。 (2021年7月17日 15時) (
レス) id: a713fe40a0 (このIDを非表示/違反報告)
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