太陽 ページ30
数日間ずっと待ち望んだ終了のチャイムが鳴った。クラス全員が声を漏らして互いにお疲れ様と声をかけ合う。
私自身、終わったことに安堵している。これであとはもうただ普通に過ごすだけだ。
卒業式の準備もあるがそれはまぁどうにかなるだろう。
なんて、ぼんやり考えているとひとつ挟んで後ろの席にいた捏島くんが私の肩を叩く。
｢はぁ…お疲れ。A｣
『捏島くんこそ、お疲れ様。どうだった？』
｢何とかいけそうやわ…。ありがとうな、教えてくれて。｣
『いえいえ。お役に立てて何よりです』
今回のテストでは、捏島くんのために毎日居残りして各教科のポイントなどを教えていた。
彼自身勉強が苦手なわけではなさそうだけど、一つに引っかかると中々前に進めないらしい。
私も今回のテストは気が抜けないと思っていたから、教えることで自分のためにもなったしありがたいなぁと思っていた。
｢まじで疲れたわ…。ちょ、帰りさマクド寄らん？｣
『あぁ、うん。いいよ。』
｢教えてくれたお礼に奢るから。終わった瞬間すぐ行こや。あいつらに捕まったらダルいし｣
『あー…。うん、頑張るね』
彼とお昼を食べる約束をした。何だかもう、彼といる時間があまりに長くてクラスの人たちも既に何も言わなくなっている。日常に溶け込んでしまった。
｢よーし席つけよー。とりあえず、提出物この箱に入れて係のやつ持ってってくれなぁ｣
間延びした声で先生がそう言うと、こちらも疲れきったような少し晴れ晴れしたような声で返事をするクラスメイトたち。挨拶も適当に済ませたところで荷物を手に取ってドア付近に立っている捏島くんを追いかけた。
｢よし、よし！あいつらまだ終わってへんわ｣
『今のうちに行こう』
｢おう！｣
彼は嬉しそうに私の手を引いて走る。
最近はそれほど眩しさを感じていなかったけれど、やっぱり彼は眩しい。
私を照らしてくれる太陽がこんなに近くにいたって、もう隠れたくなくなった。
私を照らしてくれる彼を、これからも近くで見ていたい。
太陽と月 完結
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大阪在住の通行人 - ちぇるさん、物語を書く時はしっかり調べて確認した方がいいと思いますよ... 湿度が高い方が暑いんですよ、しかもやでな？ってなんですか？ やんな？とかよな？が大阪弁的には相応しいと思いますよ。 (2021年7月17日 15時) (
レス) id: a713fe40a0 (このIDを非表示/違反報告)
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