月 ページ19
男女混合リレーでアンカーを任された。別に運動は嫌いではないし出来る方だと自負している。
だからこそ、引き受けたのだが。
｢…なんでおんねん｣
｢ええやんけ別に。一人休んだんよ｣
｢それでお前が代わりなん？｣
｢そうや？…実質俺らの戦いやな｣
この、シャオロンという男がまさかアンカーだとは。しかも、元々出る予定ではなかったらしい。
なんで今日の体育祭を休むねん。体調管理しっかりしろやほんまに。
まぁ、何言うても変わらんししゃーないわな。
｢…お前にだけは負けへんからな｣
｢はいはい。精々犬っころらしくキャンキャン吠えとったらええわ｣
｢は？｣
煽りに煽ってくるものの、そんな事を気にしている余裕はない。もうすぐそこにバトンを持ったクラスの女子がいるのだから。
｢捏島、走って！｣
｢…おう、任しとけ！｣
バトンパスを成功させ、そのまま駆け出す。
しかし、すぐ隣にはシャオロンがいて接戦になっている。アンカーはグラウンド一周しなければならないために中々に大変だ。
それでも、Aにいいとこ見せたいやん。
もうすぐうちのクラスの前を通る。
その時、たまたま目をやったらそこにはAが立っていて世界がゆっくりと進みだした。
彼女は驚いた表情をした直後普段出さないような声を張りあげる。
『捏島くん、頑張って！』
その瞬間世界は速さを取り戻した。
俺は、その声だけが木霊して聞こえスピードを上げる。あと、もう少し。
隣にいるシャオロンもラストスパートのためスピードを上げ、同時にゴールしそうになるもそれを防ぐため最後の一歩を大きく踏み出した。
ゴールテープが宙を舞って、俺たちは立ち止まった。結果は、結果はどうだったのか。
｢…ただいまの結果___｣
放送部が結果を言うと、俺たちのクラスは叫びを上げた。どうやら、僅差で俺の方が早かったらしい
よかった、勝てた。A、見てくれてたんかな。
クラスの女子たちが喜んでいる中、彼女はほっとした表情をしている。
信じてくれてたんやろか。そうやと、嬉しいんやけど。
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大阪在住の通行人 - ちぇるさん、物語を書く時はしっかり調べて確認した方がいいと思いますよ... 湿度が高い方が暑いんですよ、しかもやでな？ってなんですか？ やんな？とかよな？が大阪弁的には相応しいと思いますよ。 (2021年7月17日 15時) (
レス) id: a713fe40a0 (このIDを非表示/違反報告)
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