太陽 ページ17
捏島くんを送り出して一人になった私は、誰と話すでもなくグラウンドを見つめる。
どうやら、シャオちゃんはこの競技に出るらしい。
男子4×200メートルリレー。花形競技といえばそうだけれど、一人でグラウンド一周するという何とも疲労の溜まる、それこそ運動が得意でなければ出場出来ないようなすごい競技だ。
彼はもちろん別クラスで敵同士ではあるものの、知っている人だし応援はしたい。
グラウンド一周するし、うちのクラスの前も必然的に通ることになる。
応援の声が届くかは分からないけれど、頑張ってほしい気持ちもあるから応援はしよう。
甲高い破裂音が空に響いて二年生のリレーが始まった。シャオちゃんは、アンカーらしい。
念入りに準備運動をしてバトンが来るのを待っている。うちのクラスももちろん応援はしている。
『頑張れ〜！』
普段出すことのない大きな声を出すと、少しだけ喉が乾燥するけれど頑張っている彼らを応援したくなる気持ちは誰にだってあるだろう。
目の前を駆けていく男の子たちは、誰もが真剣な表情で次の人にその熱を託す。
そして、アンカーにバトンが渡された。
今までしゃがんでいたクラスの女の子たちも全員立ち上がり男の子に声援を送る。
私も負けじと送るけれど、かき消されてしまう。
あ、シャオちゃん。彼は今現在二位で一位は僅差で後ろを走っている。
もうすぐ目の前を通ろうとする。ここで、出さなきゃ聞こえない。
『っシャオちゃん、頑張れ！』
すると、一瞬だけこちらに視線を向けたシャオちゃんは不敵に笑いグッと踏み込んだ。
一位との差を少しずつ埋めてゴール寸前で追い抜いた。
途端に再び破裂音が聞こえると、グラウンド中が熱狂の海に。
すごかった、最後の追い抜きは誰もが手に汗握る展開で一気に声援が増えた。
うちのクラスはというと、三位という結果だった。走っていた彼らは悔しそうに帰ってきていたけれど、女の子たちは眩しい笑顔で出迎えた。
『…はぁ。すごかったな』
余りにも集中して見ていたため、疲れが出たのかブルーシートに尻もちをつく。
『次は、捏島くんだ』
今度はうちのクラスの彼を、応援しなければ。
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大阪在住の通行人 - ちぇるさん、物語を書く時はしっかり調べて確認した方がいいと思いますよ... 湿度が高い方が暑いんですよ、しかもやでな？ってなんですか？ やんな？とかよな？が大阪弁的には相応しいと思いますよ。 (2021年7月17日 15時) (
レス) id: a713fe40a0 (このIDを非表示/違反報告)
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