月 ページ16
シャオロンと一触即発しそうになるも、アナウンスにより事なきを得た。
しかし、その後の俺とAと言えば特に話すこともなくブルーシートに腰掛けてグラウンドを見るばかり。
それでも、隣にいる好きなやつに視線がいくのは仕方がないだろう。
『あ、え…と』
｢…ふ、変な顔すんなや。｣
『ひ、ひど…。変な顔なんかしてない』
｢めっちゃ間抜けな顔しとったで。可愛ええけど｣
『か、かわ…?!やめてってば』
｢ほんまのこと言うただけやんか｣
可愛いと言っただけで、照れるような男慣れしていないAを酷く愛おしく思う。
俺よりも長い間隣にいたであろうシャオロンがライバルとなるのは不安だったが、彼女に恋というものを教えるにはお互いゼロからのスタートだ。
つまり、有利も不利も何もないということ。
今は俺の方がAと一緒にいる時間が長いし、短期間でも彼女の心を動かすような出来事だってたくさんあったはず。
未だに照れているAが可愛くて笑っていると、アカウンスが鳴り招集がかかる。
そろそろ行かなくてはいけないけれど、これくらい許されるだろう。
｢…見といてや｣
彼女の綺麗な黒髪を撫でてその場を後にする。
我ながら恥ずかしいことをしてしまって、顔が熱くなる。俺らしくない。
それでも、自分の勇姿を好きな人に見てもらいたいと思うのは普通のことで何としてでもAにいいところを見せたいと思う。
｢これで、好きになってくれたらええんやけど｣
呟いた欲望は人混みに紛れて消えていく。
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大阪在住の通行人 - ちぇるさん、物語を書く時はしっかり調べて確認した方がいいと思いますよ... 湿度が高い方が暑いんですよ、しかもやでな？ってなんですか？ やんな？とかよな？が大阪弁的には相応しいと思いますよ。 (2021年7月17日 15時) (
レス) id: a713fe40a0 (このIDを非表示/違反報告)
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