Flower 9 ページ10
今日、ついにウォヌさんが言っていた大雨の日がやってきた
朝から天気は悪くてずっと雨が降っている
さすがに今日は出かけられないな…
特にやることもなかったので屋敷の中を歩いていると
ピカッ！
窓の方が少し光ったと思った次の瞬間
ゴロゴロゴロゴロ
大きな雷の音がした
私は思わず耳を塞ぐ
たしか、お父さんが脳梗塞で倒れたあの日も朝から雨が凄くて大きな雷の音がして…
思い出しなくないことを思い出す
そんな父はこの間他界してしまった
ゴロゴロゴロゴロ
止むことなく振り続く雨とまた鳴る雷
あの時の不安が恐怖が押し寄せて
あ 「…お…父さ…ん…」
気づいたら流れる涙
止まらない体の震えで私は立っていられなくなり
その場にしゃがみ込んだ
お願い、早く止んで…そう思いながら端っこに蹲る
怖くて怖くて誰かに助けて欲しかった
私をここから救い出して欲しかった
…助けて
パサッ
泣きながら蹲る私を誰かが覆う
JH 「大丈夫か？！」
ハニだった
あ 「ハニ…」
何でだろう
ハニの顔を見ると凄く落ち着いて余計に涙が溢れてくる
そんな私と同じようにハニはしゃがみ込んで
JH 「A…よく頑張った。もう大丈夫だから」
そう言って震える私の手をぎゅっと握ってくれた
ハニのおかげで大分落ち着いたが
それでもまだ微かに私の足は震えている
すると
ハニはお姫様抱っこをして私を持ち上げた
あ 「ち、ちょっと…！」
降ろしてもらおうと少し暴れたら
JH 「守れるのは俺しかいないって言っただろ」
大人しくしとけと言わんばかりに私を抱えて部屋まで歩き出す
ハニの肩に顔を乗せて聞こえないくらいの小さな声でありがとうと言った
ガチャ
部屋に着いたらソファーの上に私を降ろす
大丈夫か？と聞くハニに向かってうんと私が答えると
じゃあ、俺行くわと言って出て行こうとした
あ 「待って…！」
私は気づいたら彼の服の裾を握っていた
すると
目を見開いてからハニは黙って私の隣に座り
JH 「気が済むまでいてやる」
そう言って私が本当に落ち着くまでずっと側にいてくれた
その時のハニは私の辛い雨の日の過去を優しく頷きながら聞いてくれて
これからはそんな思いせずにすぐ俺を呼べばいい
そう言ってくれた
ハニは私の過去を知ってくれたのに私はハニの過去を知らないままで
もっと早く知っておけばよかったと後悔するのはまだ先の話。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 152人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はおぐぅ | 作成日時：2020年10月22日 0時
