白天使と黒天使 (ページ6)

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Flower 5 ページ6

ジョシュアside

やっと出会えた僕の愛しい人

いつ頃だろうか

毎日毎日君を思って会いたいと願ったのは…

僕が天界から追放されてしまったあの日からだ

今までどうしても思い出せなかった君の名前

…Aっていうんだ

でも、何十年ぶりかに出会った君はなぜか僕のことを忘れているみたいで

僕は堕天使だから老けないように人間の君も全く老けていなかった

不思議だね…

僕たちが出会ったのはまだ君が大人になりかけの子供の頃なのに

今の見た目は変わらないというよりもその頃と同じみたいだった

僕が知らないうちに人間も不老不死になったのだろうか

まあ、そんなことはどうでもいい

やっと君を手に入れたんだ

もう離さない…

JS 「ねぇ、これから毎晩僕の部屋に来てよA」

僕のことが怖いのか後退りする

JS 「A…僕は怖い人じゃないよ。すぐに君も僕を思い出すから」

…ね？だから僕のところにおいでよ

黙り込むAを見つめる

僕はAに近づいて

JS 「まだ僕を思い出せない君にこんなこと言うのはダメだとわかっている…でも僕は…」

ギュッと抱きしめた

JS 「Aのことを愛していて、ずっとずっと待ってた…」

お願い

もう僕のことを待たせないでよ

これ以上辛い思いをさせないでよ

Aの温もりが僕の体にも伝わってきて

気付いたら目から涙が溢れていた

JS 「ごめん…」

僕は君のことが好きすぎるみたい

このまま温もりをずっと感じていたかった

すると

小さな手が僕の頭に触れる

あ「私はジョシュアさんが誰なのかはわかりませんが、悲しんでいる人を放っておくほど残酷な人間じゃないです」

あぁ…

JS 「君が優しい人だってことは僕が一番わかってるよ…」

いいんだ、今はこれで

君がただ僕のそばにいてくれたらそれでいい

すぐに君も僕を愛するようになるから

Aは僕の部屋に毎晩来ると言ってくれた

僕は君のおでこに頬っぺたにそっとキスをする

JS 「Aが僕を思い出すまでここは取っておくよ」

僕の指をAの唇に当てた

驚いた顔をした君を見て僕は微笑む

あ「わ、私…もう自分の部屋に戻るんで…！」

ガチャ

急いで部屋を後にするAを見つめる

ふふっ、可愛い…僕の愛しい人…

まぁ、君が来なくても僕が会いに行くんだけどね…？

僕はこの先にどんなことが待ち受けているのか何も考えず

ただひたすら、きっと君を愛していた。