Flower 12 ページ13
Aside
この屋敷に来てからどれくらい経ったのだろうか
気づいたらもうすっかり馴染んでこの暮らしが日常化していた
そんな今日
私はどうしても行きたいところがあった
あ 「ねぇ、ハニ。私お父さんのお墓参りに行きたい」
そう言うと
JH 「俺も一緒に行く」
2人で街に出ることにした
森を抜けると懐かしい空気が私に吹いて
大きく深呼吸をする
父のお墓の前についた私はしゃがんで声をかけた
あ 「お父さん…久しぶり、私は元気にやってるよ…」
どこか遠くから優しく父が頷いている気がする
するとさっきまで後ろに立っていたハニが私の隣にしゃがんで
JH 「僕が娘さんを守るんでお父さんは心配しないでください」
ハニは私の方を見て
JH 「旦那ぽいだろ?笑」
と冗談混じりに言ってきた
恥ずかしくなって私の頬が赤くなるのと同時に少し嬉しかった
見知らぬ他人の私にこんなにも良くしてくれるんだと…
この頃からもう既に私はハニを信頼していたんだと思う
お墓参りを終えて歩いていると
ハニが他に行きたいところある?と聞いてくれたので
私は久しぶりに懐かしい家に行くことにした
近所の人が整理してくれていたおかげで当時のまま物が残っている
私の部屋に行くと
あ 「あった…」
昔から大事にしていたアルバムを見つけて手に取る
亡くなった父と母に語りかけるかのように
そっと今までの思い出が詰まった写真を1枚1枚捲った
するとハニが横から覗いてきて
JH 「子供の頃のAも可愛いな」
突拍子もないことを言う
なぜか一緒に鑑賞することになった
私は早くに母を亡くしているから家族3人で写っている写真がほとんどない
JH 「Aのお母さんってどんな人だった?」
そう言うハニに私は唯一ある母の写真を見せた
JH 「え…どうしてここに…」
ハニを見ると大きく目を見開いてその写真を見ている
あ 「ハニ…?」
もしかしてハニは母を知っているの…?
でもそんなわけない…
落ち着いて聞いてほしいとハニは言う
私は頷いた
JH 「この写真に写っている人が
・
・
・
シュアの愛する人なんだ…」
私が幼い頃に亡くなった母の名前はソアという
若い頃の母は今の私にすごく似ていたとハニは言った。
152人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はおぐぅ | 作成日時:2020年10月22日 0時