白天使と黒天使 (ページ2)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:21,077 hit

Flower 1 ページ2

この世界に神様なんていない

そう思った

幼い頃、あれは2歳くらいの頃だったかな

よく覚えていない

そのときに母を亡くし

それ以来は父と2人で一緒に生きてきた

そんな父が半年前、急に倒れてずっと入院していた

脳梗塞だった

そしてついに

あ「お父さん…」

病室のベッドの上で全く動かなくなってしまった父のことを今でも覚えている

唯一の家族である父があの日他界してしまったのだ

頼れる人が父しかいなかった

そんな私の身内はもう誰もいなくて

どうすることをできなくて

気づいたら私はずっとずっと歩いて

知らない森の奥まで辿り着いた

どれくらい歩いてここに辿り着いたのだろうか

さっきから何度も何度も同じ景色だけが続いている

来た道を戻れば帰れるはずなのにそれすらもわからなくなって

もし仮に帰ることができたとしても

あ「帰る場所ないじゃん…」

私は木のそばに座り込んだ

木と木の間から月が私を照らす

綺麗だな…そう思いながら三角座りのまま俯いた

そのとき

?? 「…大丈夫か？」

誰かが私の前に来て顔を上げると手を差し伸べていた

彼の鋭い目が私を捉える

もう何もかも失って終わりだ

そう思っていた私にはその優しがとても嬉しくて

気づいたら見知らぬ彼の手を掴んで

あ「…私を…助けてください…」

そう口にしていた

するとその男性は私をスッと引っ張って立たせてから

??「わかった」

そう言って私の手を掴みながら歩き出した

しばらく無言で後ろからついていく

着いた先はこんなところにあるんだ…と思えるほど大きな屋敷の前だった

??「入って」

そう言って彼は門を開けて私を中に入れてくれた

外は寒かったら中はとても暖かく

連れてこられた暖炉がある部屋の椅子に座るように言われて座ると

??「…何かあったみたいだな」

と言われた

静かに頷いた私を見て彼は口を開く

?? 「帰る場所があるならここへ来てはいけないよ」

何かありそうな気がした

でも

あ「私には帰る場所がないんです…」

いつの間にか私がどうしてここへ辿り着いたのかを詳しく説明してしまっていた

すると彼は

?? 「好きな部屋使っていいと思う…君、名前は？」

しばらく私はここにいてもいいのだろうか？

あ「…Aです」

そんな疑問を抱えている私に向かって

いい名前だ

彼はそう言って少し微笑み

?? 「俺の名前はチョンウォヌ」

鋭い目で私をじっと見つめた。