白鳥沢の姉御マネージャー！⑥ (ページ43)

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最終日にページ43

「うわ〜やってる」

「行くぞー五色」

「置いてくからな」

「あ、待ってください！」

「朝練か〜」

「頑張れよー」

1月5日。

まぁよく保った方だ。3年になってから隠すことが難しくなったあいつらに対しての最後の隠し事。よく隠し通せたよ私。

少しでも気を緩めれば何かが溢れそうで。ずっと耐えてきた。

こいつらからしたら何気ない1日。でも私にとってはここで過ごす最後の日。

言いたいことは全部手紙に書いた。やり残したことといえば特に無いけど、……強いて言うなら

ｶｼｬ

「ん？なんだ蓮か」

「どうした？急に写真なんか」

『ちょっとな』

「またなんか隠し事〜？今度は何カナー」

『みんなの秘蔵写真集なんか作ってる訳ないだろ』

「嘘ヘッタクソ〜」

最後に、残したい。みんなとの日常を。

『はいチーズ！』

「イェーイ！」

「俺も混ぜろー！」

『カモンカモン〜』

まぁ3年ズとだけの写真になりそうだから後で体育館行くけど。

『あ、私用事あるから出てくるねー』

「行ってらー」

向かった先。

そこは

【青葉城西高校】

『あーここはもうやってんのか』

「あ、龍上」

『おー岩泉』

朝練だろうか、エナメルを肩にかけてジャージ姿だ。

「そっち学校は？」

『明日から。

岩泉、これ及川に渡しといてくんない？』

「何だこれ？」

『見ての通り封筒ですが』

「なんか変なもん入れてねぇよな」

『入れるわけないだろ？』

「まぁ知ってたけど」

『出来れば明日渡して』

「今日じゃ駄目なのか？」

『うん』

あー岩泉察しがいいからなぁ……

「なんかあったのか」

『理由は聞かないでくれるとありがたいかな』

そう、岩泉は察しがいいから

「……分かった。渡しとく」

『ありがとう』

「お前……どっか行くのか」

『どうかな〜』

「……まぁ深くは聞かねえ。お前のことだ、どうせあいつらにも言ってねえんだろ」

『察しがよくて助かるけど厄介だね』

「そりゃあお前らに負けた悔しさがあるからな」

『じゃあ今度は仲間としてあいつらと戦ってあげてよ。昨日の敵は今日の友、ってね。次の相手は世界だぞ？』

「気が早ぇんだよ」

『分かってるって。……じゃあね。ありがとう岩泉』

「……おう」

友達でいてくれてありがとう。