白鳥沢の姉御マネージャー！⑥ (ページ41)

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『じゃあ鉄朗、研磨。春高頑張れよ』

「っ……」

「ねぇ蓮」

『研磨。

ごめんな』

1月3日。宮城に戻って荷物を纏める。

『飛行機の中でお前らの試合の全部観るから。

頑張れ』

「……おう」

「うん」

実質こいつらと会えるのは今日で最後だ。

私は2人まとめて抱きしめた。

『ありがとう。お前らが幼馴染で本っ当に良かった。12年間、本当にありがとう。楽しかった』

「っ……クソっ……」

「……っ

蓮は、帰ってくるんだよね」

『……いつかな。ずっと後のことになりそうだけど』

2人は私の肩に顔を埋めた。

「絶対戻ってこいよ……」

「待ってるから……」

『……うん。絶対戻ってくるよ』

約束を交わすように2人の背中を叩いた。

『烏野との試合、楽しみにしてるからな』

「おう。ゴミ捨て場の決戦は俺達で実現させる」

「……見てて」

『うん！見てる』

あぁ……

『もう行かなきゃ。……じゃ』

「元気でな」

「元気でね」

『……そっちも』

私はカバンを持って駅に向かった。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

『……ただいま』

「おかえりなさい姐さん」

『おう太一。帰ってきてたか』

「昨日戻りました。賢二郎もさっき」

『そっか』

部屋に入った。

私の部屋はほとんど何も無くなった。大きいものはみんなにバレないように実家に送った。でもほとんど捨てた。持ってくものは必要最低限にしようと思って。

机に並べられた封筒は全部で20。いやー我ながらめっちゃ書いたな……

あ、そういや三学期が始まんのは6日か。すげぇ偶然。まぁノブっちにも学期初めに言うように伝えてたし。

『……っクソ……！』

なんで今になって出てくるかなぁ……

多分それは、机に飾ってあったスマホカバーのせいなんだろうけど。

いつだったか私と若利の萌画像選手権みたいなのやってた時、最後に私がみんなの写真撮ったんだよなぁ……んで太一と隼人と買いに行った透明なスマホカバーに現像したの貼って、デコって……

世界に一つだけの、私だけの、白鳥沢特製スマホカバー。