白鳥沢の姉御マネージャー！⑥ (ページ25)

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話は決まってこの時間ページ25

「今ここで約束すれば、お前は守ってくれるか？」

『まぁね』

「それは本当か」

『ほんとほんと。もう嘘はつかないよ』

ついても見抜かれるだろうし。

「俺が望めば叶うと言ったな」

『若利の原動力になる、ね。望むだけじゃ叶わないよ』

「分かった。

では教えてくれ。もう誤魔化しは効かないぞ」

『！こっわ〜……』

嘘も誤魔化しも許してくれないのかお前は。

『ごめんな。……まだ言えない』

「……」

『言いたくない訳じゃないんだ。まだ私の中でガチっと決まってないから言えないだけ。正月に帰省して親と最終的決定させる。言えるのは……3月かな』

「何故そんなに遅い」

『……』

「卒業間近で言って消える気か」

『無い無い。第一私がお前らから離れられる訳……』

無いよ。

でも私は臆病だから。

『みんなの進路が決まったら、卒業間近で私も言うことにする。お前が心配するようなことはしないから安心しな』

「……ああ」

勧誘の話は……黙っておくべきだろうか。言ったら若利は、その道に進むように勧めるだろうか。

……少し、聞いてみるか

『若利はさ』

「？」

『もし私が将来バレーチームに入ったら、どう思う？』

「……」

頼む、何も詮索せずに答えてくれ

「お前が選んだ道で、お前が望む場所なら、俺は良いと思う」

『……そか』

「……と」

『？』

「言えるほど俺は優しくも大人びてもいない」

『……！』

「欲を言うなら俺がいる所にいて欲しい」

足が止まった。前を進む長い脚は止まらない。

『……ったく……泣かすこと言うなし』

「お前が俺達を離したくないと思うのと同じだ。俺達もまた、お前を離したくない」

『それ前も聞いたし……』

「そうか。何度だって言おう」

『恥ずかしいからやめろ……』

「なら数を減らす」

『そこはゼロにしろよ……』

こんなこと思ってはいけないことだと、ずっと暗示がかかっていた。その劣等感を補うために、こいつらからの欲を受け取っていた。こいつらも同じだと思うことで、自分は大丈夫なんだと思い込んでいた。

「走るぞ」

『……先に止まったのはそっちだろーが』

こいつらはそれを知っても尚、私に与えようとしてくる。