白鳥沢の姉御マネージャー！⑥ (ページ18)

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慰めページ18

宮侑side

"私はバレー馬鹿にはなれない"

なんやのそれ

「蓮ちゃんもバレー馬鹿やん」

『大学行かなきゃとか、もっとマネージャーしてたいとか、勉強しなきゃとか、

もっとバレーしてたいとか。

現実見てる私と見てない私がいんの』

蓮ちゃんは笑った。けど、俺からしたらそれは痛々しくて見てられんかった。

「どっちも現実やんか。蓮ちゃんやったら何でも出来るし、何にでもなれる。俺はそう思ってる」

『よく言われる。"どんな道でも、蓮が選んだなら文句は言わないよ"って親から言われた。

だからさ、一瞬思っちゃった』

そこで俺はやっと、蓮ちゃんの睫毛が濡れとるに気づいた

『死ぬまでバレーしてもいいよねって』

「っ、」

仕方ないやんか。こんなん反射やし。俺元々蓮ちゃんに隠し事なんか出来へんし。

だからつい抱き締めてもうたんや

「ええやんか、蓮ちゃんが決めはったんやから」

『マネージャーで食っていけるほど甘くないんだよ』

「知っとる」

言ってしまうか。と俺ん中の弱い部分が口を出す。

やめぇや。今蓮ちゃんは辛いねん。俺がそんな事言ってええ訳ないやん。これ以上蓮ちゃんの仕事増やしたらあかん。マジで倒れてまう。

今俺に出来る精一杯がこれや

『大学に行けるなら行きたい。でもみんなとバレーしてたい……！

行こうと思えばどこだって行けるはずなんだよ……でも、なんでか知らないけど、足が動かない……』

いっつも笑ってはる。仕事は完璧にやる。でも……蓮ちゃんもちゃんと女の子やった。辛いことで泣くし、先が見えんくて怖がるし。

「俺は何も言えんよ。蓮ちゃんがしたい事とか何になりたいとか、俺には分からん。せやけど、

蓮ちゃんが将来何しとっても、俺にとって蓮ちゃんは蓮ちゃんや。絶対変わらへん」

『……！』

俺、慰めるとか出来たんやなぁ……サムに自慢しよ。……あ、でも

蓮ちゃんのこと言うんは嫌やな

「だから泣かんといてや」

『泣いてねぇわばーか』

「……嘘つくなや」

『侑はいつまで経っても侑だな。多分大人になっても精神年齢は変わんないんだろ』

「なっ……変わるわ！！」

『ははっ、はいはい』

「流さんといて！」

ほんま……蓮ちゃんには一生敵う気せぇへんわ