白鳥沢の姉御マネージャー！④ (ページ34)

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烏養さんページ34

「……そッスね。勉強になります」

「なあなあ蓮ちゃん！俺は強いやろ！？」

『あーはいはい強いっすよー』

「棒読み！！」

「おい宮……今の姐さんの感動話の雰囲気返せよ……！」

「ガチ勢すぎだろ君」

「白布くーん、そないにピリピリしとるとモテへんで〜蓮ちゃんにも愛想尽かされてまうかもなー」

『あ、それは絶対ないんでご心配なく。ほらほら！私の話はいいから練習練習！』

私も原点を再確認するいい機会になったし、影山には感謝だな。

「マネージャーとは思えない貫禄だぜ」

『はは、まあこれでも元選手なんで……ちょっとくらいは響いてて欲しいところですけどね(笑)』

「烏野に来て教えて欲しいくらいだ」

烏野か……楽しそうだよね。1年生が目立つけど、やっぱりそのプレーは2、3年生の基盤がしっかりしてるからこそ出来るのであって、私達みたいな個を基調とするプレーには向かないチームだ。

『烏野は雑食ですよね。今回の合宿で相当いい経験したんじゃないですか？』

「そうだな。……それにしても余裕だな」

『全然。いつ背中を刺されるかヒヤヒヤしながらやってますよ。彼らはどうか分かりませんが、少なくとも私は余裕なんかないですよ。でもそれを顔に出したらマネージャー失格なんで』

マネージャーは常に選手を支える立場。不安を顔に出したら選手にも影響を及ぼすかもしれない。私が指導なんて烏滸がましい。あくまでアドバイス、私が思ったことを言ってるだけだ。それが嫌なら別に聞かなくてもいいし、何より監督の言葉以上に聞くものはない。

『笑って信じてやるのも、私達の大事な仕事ですよ』

「……健気だな。たった3年でそんなに変われるもんか？選手からマネージャーになって」

『環境が良かったんでしょうね。私は恵まれてるので、恩返しのつもりでマネージャーやってます』

私をバレーに出会わせてくれたおじさんに。バレーを続けさせてくれた両親に。指導してくださった先生に。一緒に戦ってくれた仲間に。私を慕ってくれる後輩に。私をマネージャーとして初めて認めてくれた鷲匠監督に。そして何より白鳥沢バレー部に。

出会った全ての人へ、感謝と恩返しをしたい。

『毎日楽しくて、私は白鳥沢じゃないと満足出来ませんよ』