【97】猫 ページ47
まふまふ side
『大丈夫なんて嘘つかないでください。』
「いやぁ…人のこと言えないと思います。」
『…黙れください』
「それ、敬語でもないしもはや暴言だから。」
動画の投稿が終わって一息ついていた時、
「ピースにお疲れって伝えてないな」と思い立ち家に突撃すれば
コンビニの袋を持った本人とロビーで出くわした。
ビニールの中にはお粥とポ◯リスエットが入っているにも関わらず、等の本人はピンピンしている。
「で、来てみたら次はお前かよ」
「口悪いなぁ」
「同い年だからいいでしょ！！」
「大丈夫」と言いながらも顔は真っ赤。お粥も二口で手が止まってしまった。
見るからに体調が悪そうで体温計を渡す。
「大丈夫、」
『何言ってるんですか』
「弟子に呆れられるよ？」
起き上がるだけで少し息が切れており、体温計を渡すときに触れたときは異様なほどに熱い。
しばらくして鳴った体温計。
体温を見た米津くんは体温計を隠そうと布団の中に潜らせる姿は猫と変わらない。
『貸してください。どっちにしろ熱があるのはバレバレで、病院は確実なので無駄ですよ』
「優しくない」
『愛の鞭とでも思ってくださーい』
渋々渡される体温計。
体温は39.4度。完璧に明日は病院コースだ。この時期にここまでの熱ということはインフルエンザの可能性だってある。
「移ったら悪いから帰って」
「もう遅いです」
「…それもそうか」
いつもより素直じゃない感じがまたギャップというんだろうか。面白くもあり、少し心配だ。
そしてAはというと「看病します」
と家からpcを持ってきていた。
「動画、どう？」
『ライブ後にお陰様で一気に一万人増えました…』
言葉を紡ぐほどに顔色が暗くなっていく。
そして開いた口。そこから溢れた言葉は「怖い」という単語だった。
きっと、普通なら嬉しくて飛び上がるほどにAくんのチャンネルは右肩上がりだ。
しかしそれは彼にとってプレッシャーになり少しずつ積もっていく。そしてつきもののアンチはいじめられていたことのある彼にとって、手が震えるほどに怖いものだろう。
実際僕はそうだったから。
「僕も、今でも十分怖いよ。『炎上したら』活動してて頭に一番浮かんでくる。」
そっと、前より高くなった頭を撫でる。
Aはえへへ…と綻んだ。
忙しくあまりよく見てあげることができていなかったけれどあった頃よりだいぶ顔つきも顔色も良くなっている。子供の成長は早いもので。
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雨音(プロフ) - 柊さん» ありがとうございます！がんばります！！ (2020年2月22日 22時) (
レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
柊 - とっても面白いです！応援してます！ (2020年2月22日 19時) (レス) id: 6c7d5f5114 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - らんさん» 運命ですね。 (2020年2月9日 21時) (レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
らん - 私の学校に 加藤 晴也 って名前の人いる！ (2020年2月9日 18時) (レス) id: 665c5b97f1 (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 蒔さん» ご拝読ありがとうございます！頑張ります！！ (2020年1月21日 14時) (レス) id: 36e1edc774 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨音 x他1人 | 作成日時：2019年12月27日 16時
