蝋燭と拳銃 (ページ1)

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…………ターゲット到着 ……た……

「イエッサー……っと、」

煩わしいイヤホンが今日の獲物の到着を途切れ途切れに告げる。

大まかな司令はわかっているから仕事をするだけ。

今日の的はデケェかな、

それが気になりスコープを覗けば偉そうなスーツに身を包んだ人々が車から降りているのが見える。

それなりに肥えていて偉そうだ。俺とは気が合わないね。と心で悪態をつけば呑気に欠伸をした。

俺が上から狙ってる以上この譜面の主導権は俺にある。

何故かって？それは簡単。

この俺が引き金を引けばこいつの脳漿は炸裂してお陀仏って訳。

イヤホンから実行してくれとの命令が入った。

スナイパーライフルを構え直しひとつ息を吐いた。

照準を頭に合わせていく。

引き金に手をかけてそれを思いっきり引いた。

パンッ

乾いた音と共に俺の仕事は終わった。

あとは誰にもバレないように逃げるだけ。

「ミッションコンプリート。」

手短にそう伝えればさっさと片付けビルの屋上を去った。

悪とか善とか、それ以前に俺が暮らしていけなきゃ意味が無い。

この真っ黒な手は拾ってくれた恩師への恩返しのための手。

死んだ後どうなろうが関係ない。今を生きなきゃ。

黒はどんなに染めたって黒だろ？

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