[夢色パティシエール]お菓子も恋も甘くなくちゃ！ 5

樫野と佐倉 ページ3

貴「ああ〜むしろ私にはあれくらいしか出来なかったけどね」

樫「んなことねぇよ！俺は凄く元気になった」

貴「ならよかった〜」

私はぐーっと背伸びをする。

貴「話ってそれのこと？」

樫「あ、いや…」

樫野は何かを決意したのか私をまっすぐと見る。その表情に不覚にも胸が高鳴った。

樫「俺、Aが好きだ」

私は予測していたけれどいざとなると言葉に詰まってしまった。

どうしよう。私の胸は未だかつて無いくらいバクバクしている。収まる気配がない。

貴「あの、ね。私…樫野に告白されて凄く心臓がドキドキしてるの。初めて告白されたしめっちゃ嬉しい」

私は、樫野に今思ってることを正直に伝えよう。そう思った。

貴「でも私は友だちとして好きなの」

樫「それ以上にも未満にも」

貴「うん。この先もずっとこのまま。変動しないよ」

樫「……そうか、わかった。悪かったな困らせたな」

貴「ううん！樫野の気持ちすっごく嬉しかったよ！」

樫「いいか、これからも普通に接しろよ！」

貴「もちろん！」

樫「じゃあ、パリでお互い頑張ろうぜ」

樫野は私の頭を軽く撫でそのまま去っていった。私も自分の部屋へと向かった。

樫「なんだよ…めちゃくちゃいてぇよ」

樫野はAが去ったのを見て胸を掴みその場に崩れ落ちた。

ショ「樫野…」

樫「くそっ！…こんなに好きだったなんて」

樫野の目からは涙が次々とでてしばらくは止まらなかった。

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