[夢色パティシエール]お菓子も恋も甘くなくちゃ！ 5

契り ページ32

アンリ先生は私を抱きしめたまま動かない。しかしその腕が緩まることは一時もなかった。

ア「…私いますごく幸せです。死んでもいいくらい」

貴「大袈裟ですよ、アンリ先生」

私は腕の中でクスクスと笑う。

ア「大袈裟なんかじゃありませんよ。ほんとに私は世界一の幸せ者です」


貴「…じゃあ、もっと幸せになるようなことしても良いですか？」

ア「？もっと幸せになるようなこと…」

アンリ先生の胸に手を置き背伸びをする。私はアンリ先生の口にソッと触れるだけのキスをした。

貴「…へへ。やばい、嬉しい」

私は顔を胸元に埋める。先生の匂いが鼻を擽る。お菓子の甘い匂いがする。

ア「………」

アンリ先生は一言も発さず、顔を赤らめていた。

貴「…先生？」

ア「なぜ貴方は私が喜ぶことばかりするのですか、私ばっかりAのことどんどん好きになっていく…」

アンリ先生は私の顎を救い、口付ける。

貴「ん」

なんども、何度も。次第に深くなっていく口付けに私は耐えられなくなり顔を逸らす。しかし、すぐ戻されまた深く口付けられる。

貴「んー！！んー！！」

私は必死の抵抗をし、やっと離してもらった。

貴「ちょ、ちょっといきなり…」

ア「いきなりなんかじゃありません。私はずっとこうしたいと思ってました」

アンリ先生は淡々と答える。

貴「…ばか」

私たちは満月の下、長いキスをもう1度交わした。

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