一目惚れされた【すとぷり】【莉犬くん】

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「みんなのとこには戻らないよ、このまま莉犬くんと一緒に寝る」


自分でもなんて発言をしているのかと思う。
けど、莉犬くんが無理に笑ってるの分かるから。

頼って欲しいと思ったの。
誰だって好きな人には頼られたいでしょ？


莉犬くんの返事も聞かずに行動に移す。

莉犬くんの腕を私の肩に回し、莉犬くんの腰を抱いて歩幅を合わせながら歩き始める。


「ね、ねぇA？一緒に寝るってどういうこと？」

「莉犬くんがちゃんと寝るまで一緒にいるってこと」


莉犬くんはそれを聞くと笑顔になった。
作り笑いじゃなくて、ふにゃって笑う照れたような顔に。


「寝るまで一緒にいてくれるんだ、嬉しい。
A好き〜」

一瞬ドキッとしてしまう、けど酔っぱらいの戯言だろうと認識して「はいはい私も好きだよー」と返す。


着いた寝室が暗くて良かった。
顔を見られたら丸分かりだ。触れなくても分かるくらいに、顔が熱くて真っ赤なのが。


莉犬くんをベッドに座らせ
「じゃあお水持ってくるから、すぐ戻るからちょっと待っててね」


そう言って歩こうとしたが前に進めない。
莉犬くんに手を握られていたから。

あれ、これ、デジャブ。



「ねぇA…さとみのこと、好き？恋愛的に。」

そりゃ勿論って言うとしたのに、〈恋愛的に〉と付け足されると何も言えなくなる。


なんでそんなことを聞くのか分からず、驚いて
答えられずにいると


「さとみに負けたくない、渡したくないよ」

「へ？莉犬くん、なんのこ」

「と」まで言えなかった。なんでかって。



「り、莉犬くん……？」



私、今、推しに押し倒されてます。

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