#16 ページ16
A「優太、落ち着いた?」
優太「まあまあ」
A「よかった」
沈黙が続く。
話を切り出したのは優太だった。
優太「奈々とお前と3人で見た夕日綺麗だった」
A「うん…」
優太「一緒に学校行き帰りしてた毎日も楽しかった」
A「うん…」
優太「クレーンゲームも…楽しかった」
A「うん…楽しかったね」
優太「奈々と付き合ってから幸せだった」
A「私も出会えてよかった」
優太「なんで俺たちこの世の終わりみたいな話してんだろーな」
A「それな、まだ確定なんかじゃないのに」
優太「そうだといいな」
ダダダダダダダダッッッッ
勇太「A!岸!奈々が!」
ついた時には遅かった。
冷たくなっている奈々の姿を見て
泣き崩れることしか出来なかった。
A「うああああぁぁぁあ」
なんとなく心でわかってても
いざ目の前で見ると辛いものがあった。
優太「俺、奈々と会えてよかったよ」
もう二度と笑うことも話すこともしない奈々に声をかける優太。
優太「覚えてるー?初めて会った時お前キョドってたんだよ。可愛かったー。大事にしたいって思えた。ごめんな、気づけなくて。ごめんな、守れなくて。お前がいないと俺、生きてけねえよ」
初めて聞いた。優太の本音。
『お前がいなくたって俺は生きていけますー』
って、いつもアッカンベーして奈々に言ってた。
あれは、照れ隠しだったんだなと気づく。
私は冷たい奈々に声もかけずに病室を出た。
大好きだよなんて言ってしまったら
ほんとに壊れてしまいそうで。
葬式も学校も行かなかった。
奈々がいない学校なんて寂しくて楽しいなんて思えない。
葬式なんて行ってしまったら本当にお別れのような気がする。
自己中だけど、自己中なりに考えた結果だ。
母「ちょっとー何日引きこもってんの」
ドア越しで母が声をかけてくる。
あー、そんな時間たってるんだ。
神宮寺……。
LINE、返してないな。
アプリを開けば不在着信のオンパレード。
気を緩めば思わず笑ってしまう。
『大丈夫か?明日は学校来いよ』
『俺待ってるよ』
『笑ってないお前は可愛くない』
その中に1件だけ優太からのメッセージがあった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
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作者名:のの | 作成日時:2017年9月20日 20時