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「おい」
「……はい」
朝、駅に着くや否や瑞希に声を掛けられた。
心当たりは勿論ある。……なんなら心当たりしかないな。瑞希は自分の端末を出すとずいっと僕の目の前に近づけてきた。画面の中には、立ち絵のように赤い頭巾を被った自分が、某名探偵の服装をした先輩と狐面のマッドサイエンティストと映っていた。
「お前が内緒にしろって言ったから黙っとったのに何で実写出とるん!?どういう事?」
想像していた言葉を一字一句狂うことなく発した瑞希。
「いや、ホンマにすまん。これに関しては謝るわ」
「おん。土下座な?……いや、そんな事はどうでもいいんだけど、大丈夫なん?顔出しして」
どうやら僕の心配をしてくれていたらしい。やはり僕の友達は心底優しいようだ。
「あー……まあ大丈夫じゃね?僕普段誰とも喋らんし」
自分で言ってて悲しくなってくるが、実際そうなのでもう開き直るしかなかった。瑞希も否定するどころか、頷いている。
「……Aってホント演技派だよね。演劇部くればいいのに」
「やだよ。それに僕は演技が得意なんじゃなくって嘘つきなだけだから」
「……早く帰ってゲームしたいだけやろ」
そんな人を引きこもりみたいな言い方しやがって。……否定はしないけれど。
「……にしても凄いよな、憧れのグループのメンバーがまさか自分の友達って」
「まあ自分もビックリしたけどね。動画見てるなって思ったら自分が出てんだもん」
そう話していると、聞きなれた電車の到着音が鳴った。
――また、いつも通りの日常が始まる。
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眠井さん - みっくす13。さん» みっくす13。さんおはこんばんにちは!ありがとうございます!とても励みになります!失踪しないように気を付けたいと思います…(笑) (2020年5月19日 8時) (レス) id: e5ab6b52a6 (このIDを非表示/違反報告)
みっくす13。 - (キキーーーッッ!!)おはこんばんにちは!みっくす13。と言う者です!この小説、面白いです!ゆっくりで良いのでこのまま続けてくれると幸いです!では、以上!(ブロロロロロロロロロロロ…) (2020年5月19日 1時) (レス) id: ebaa9545e3 (このIDを非表示/違反報告)
眠井さん - くずをさん» ありがとうございます!自分の妄想を形にしているだけではありますが、皆様に評価されるような小説を書いていけるよう努力します!更新頑張ります! (2020年2月29日 22時) (レス) id: 2b50fcc9a8 (このIDを非表示/違反報告)
くずを - 好きです!もっと評価されるべき!次の更新待ってます! (2020年2月29日 11時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
眠井さん - チョコレートさん» ありがとうございます!!なるべく早く更新できるように頑張ります!! (2020年2月19日 16時) (レス) id: 2b50fcc9a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:眠井さん | 作成日時:2020年1月25日 0時