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「うっわ……すっごい雨やん」
雨が窓に叩きつけられている。これじゃあ今日の予定は中止だな、なんて思いながら某SNSのグループを開き、断りのメッセージを入れておく。
――少しほっとしているのは何故だろう。
「さて……ゲームでもしようかな」
どんどんたまっていく通知を無視し、パソコンに電源を入れる。
立ち上げたのは最近始めたオンラインゲーム。
自分はやったことの無いFPSというジャンルだったが意外にも楽しくて、気付けばランキングに乗るくらいまでやりこんでいた。
オンラインということもあり、見知らぬ人と通話をしながら協力が出来る。まだあまり世に出回っているゲームではないため、荒らされる心配もなく、純粋にゲームを楽しめるというところが良いところだ。
「……あ、また『app』さんいる」
昨夜の残りのピザを温め直して一口齧る。
appさんとは、このゲームでよく通話する人――所謂ネッ友だ。何回か同じチームになって、フレンドとなった。
appさんは声が大きく、通話越しでもたまにイヤホンを外したくなる。そして心のないプレイがしばしば目立つが、しっかり仲間を助けたりとなんだかんだ言って頼れる人だ。
早速、appさんと通話をつなげる。
「あー、聞こえてます?」
「おぉ!『炭焼』くんやないか!」
通話するや否や聞こえてくる大きな声。思わずヘッドセットを外そうかと考えるほどだった。
休日の昼間ということもあって、プレイ人数は多かった。残りの人数の数を見て、思わず感嘆の声が出る。
「appさん、最近よくいらっしゃいますよね」
「おん。おもろいしな。炭焼くんもよく来とるけど、今日休日やで?暇なんか?」
「いや、こんな雨の中誰が外に出るんですか……」
そうツッコめば、特徴的な笑いとともに「それもそうやな」と返ってくる。
appさんは多分関西の方なのだろう。特徴的なその訛りはすぐに分かった。かくいう自分も関西出身のため、初対面でも親近感が湧いた。だが自分はあまり関西弁を出さないので、向こうにそれが伝わっているとは思えないが。
「今日はどこに行きます?」
「そうやなぁ……街のほうに行ってみよか」
そう言って二人で街へ向かう。やはり人が多いので積極的にバトルが始まる。appさんをサポートするように立ち回りながら動けば、気が付けば残り数十名となっていた。
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眠井さん - みっくす13。さん» みっくす13。さんおはこんばんにちは!ありがとうございます!とても励みになります!失踪しないように気を付けたいと思います…(笑) (2020年5月19日 8時) (レス) id: e5ab6b52a6 (このIDを非表示/違反報告)
みっくす13。 - (キキーーーッッ!!)おはこんばんにちは!みっくす13。と言う者です!この小説、面白いです!ゆっくりで良いのでこのまま続けてくれると幸いです!では、以上!(ブロロロロロロロロロロロ…) (2020年5月19日 1時) (レス) id: ebaa9545e3 (このIDを非表示/違反報告)
眠井さん - くずをさん» ありがとうございます!自分の妄想を形にしているだけではありますが、皆様に評価されるような小説を書いていけるよう努力します!更新頑張ります! (2020年2月29日 22時) (レス) id: 2b50fcc9a8 (このIDを非表示/違反報告)
くずを - 好きです!もっと評価されるべき!次の更新待ってます! (2020年2月29日 11時) (レス) id: f3d3ee67c0 (このIDを非表示/違反報告)
眠井さん - チョコレートさん» ありがとうございます!!なるべく早く更新できるように頑張ります!! (2020年2月19日 16時) (レス) id: 2b50fcc9a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:眠井さん | 作成日時:2020年1月25日 0時