司帝国には眼鏡がないらしい (ページ50)

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ＰＲＯＦＩＬＥページ50

忍野A

父は製薬会社社長、祖父は剣道の師範を務める。幼少期から二人の後継者争いに巻き込まれ、父親と祖父への反抗心が強い。嫌いなことは人に未来を決められること。黒髪のショートヘア。日本人離れした白い肌に青い瞳。身長は高め。父親はひょろがりで運動音痴に近いが立派な研究者。しかし、子供の夢である王子様のキスで生き返ったなどのおとぎ話を全否定され、Aいわく子育てに向かない大人ナンバーワン。実験と研究が大好きで、Aの母親が危篤の時も研究室にこもっていた。Aはそれを恨み、以来ほとんど口をきいていない。祖父は厳格な性格であり、Aの武力の根底。一切の妥協を許さず、Aに厳しい指導を敷いてきた。Aいわく頭の固い老人かつ一生勝てる気がしない人。女扱いなんて一切なし。Aが逞しく育った元凶。

・

おまけ

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「私の研究を継ぎなさい」「私の道場を継げ」

私は小さいころから二人の大人にそう言われて育った。

「どっちも継がねーわ。」

と反抗し始めたのは、中3の大会の決勝で協会から出場自粛を言い渡されてからだ。

私の家には後継ぎである男がいない。私が生まれた時、祖父はきっとがっかりしただろう。なぜなら男でないから。父は驚くほどの運動音痴で道場を継げるレベルのものではなかった。しかし、父には別の才能があった。科学だ。

「Aは才能があるなぁ。よし、私の後を継ぎなさい。」

「わたしはおはなやさんになりたい」

「だめだめ。才能は伸ばすに限る。きっと楽しいぞ～！」

楽しいかどうかは私が決めるんだよ。

「踏み込みが甘い！」

「っ！」

「早く立て！どうした！そのままでは強くなれないぞ！」

「…強くなくたっていい。強くなりたくないよ。」

だって男の子に怯えられる。私だって恋の一つもしてみたいのに。

楽観的で自分勝手な父と、頑固で自分勝手な祖父。

私の不満はついに爆発する。

「後継後継…うるっさいなぁ！！こんな家出てってやるよ！！」

「A待って！…私の研究は、」

最低だ。こんな時まで…

「さようなら。」

その日、空に謎の光が降り注いで私たちは長い眠りについた。

あれが家族で集まった最後の日になった。