司帝国には眼鏡がないらしい (ページ40)

今日:51 hit、昨日:4 hit、合計:104,725 hit

第40話ページ40

｢ダメだ、リームー。電波拾えなくなっちゃった。本体樹の上かなんかに立ててみてクロムちゃん｣

｢おぅよ！｣

クロムが立てた木の上の偽物のアンテナに向かって、ほむらは急いで木を登って行った。彼女が頂上まで着いた時、マグマと金狼がその木を折る。バキバキと嫌な音がして、木が倒れ始める。その様子を私は感心しながら見ていた。

情報戦すごー。

｢ハ！確かにいかに素早い敵でも、現れる場所にタイミング！全ての情報を制すれば無傷で確保も可能だな！｣

倒れた木から放り出されたほむらを、コハクがキャッチする。

｢ククク、唆るだろ。これが科学王国の情報通信戦争だ！｣

・

あれから私たちは千空たちと別れて司帝国に向かった。季節の影響もあり夜は寒く体温がどんどん奪われていくが、毎日温かいご飯を食べられる。これは私たちにとっての救いだった。そして歩くこと数日。

｢着いたぜ、司帝国によ…！いよいよ情報戦最強武器携帯電話のご到着だぜ！｣

｢シーよそろそろ、クロムちゃん。司ちゃん軍に耳ゴイスーなのとかいるんだから｣

あぁ、羽京さんね。

｢おぉぅ、悪ぃ！ヤベーせっかくここまで来て見つかったら…いって！｣

後ろに下がったクロムが何かにぶつかったらしい。
見上げればそこには無数の筋骨隆々な石像があった。
その額には血文字で数字が書いてあった。
多方、復活させる優先順位だろう。

「1番若い血文字で33か…ゲン君が前来た時はあった？」

「俺が前見た時はなかったけど…あれから司ちゃんは最低でも32人以上復活させてる。思ってたよりか・な・りペース早いよ。ちょーっとズイマーだね、これ…｣

「あ？んなもん今ここで番号付きの石像全部ブッ壊しちまえばいいだろが｣

その言葉に一瞬空気が凍った。いやぁ、それは…