第33話 ページ33
｢ついにケータイとやらが作れるんだな！？｣
｢石の時代にね。ゴイス〜〜〜｣
｢ケータイの心臓は真空管、骨格はプラスチック、血管は金の電線だ。この3つのボディパーツを揃えりゃ…携帯電話本体が完成する！｣
その言葉にクロムを筆頭としてみんなが歓声をあげる。
さっそく真空管作りの仕上げに入ろうと息を巻くカセキのじいさんに、千空が神妙な顔をして言った。
｢真空管作りの仕上げにちーとややこしいガラス細工があんだ。カセキのジジイでも作れっかどうか…｣
｢オホー、言うじゃない！ワシってば鬼むずこいの作ってきたもん。そうそう驚かんよ！ほれ、見してみぃ設計図！｣
確かにいままでもカセキの爺さんの腕に助けられてきたガラス細工は沢山ある。
けど今回のはそれと比にならないくらい大変なのだそう。
それをわくわくした様子で設計図を広げるカセキの爺さんは、数秒それを見て固まった。
「ヒックマンポンプ。拡散ポンプの一種だ」
｢人の手で作れるの、これ…？｣
設計図を見て唸っているカセキの爺さん。無理もない、それくらいこれは複雑怪奇な形だから。
｢俺らの時代もヒックマンポンプだけは"スゴ腕の職人"が手作りしてたんだよね〜！カセキちゃんは時代が違うから作れなくてもしょうがないよ〜リームーリームー！｣
カセキの爺さんのやる気を煽るためか、ペラペラとゲンが喋り出す。
｢オホホ、要らんよそんなメンタルケア。どうせややこいほどワクワクしちゃうし。…その代わりね、ワシもアレがいいな〜…｣
「あれ？」
｢ほら、モノ作り仲間として…｣
千空は気づいたのか、ニヤリと口角をあげる。
｢真空管はカセキ、テメーに任せる…！｣
｢オホー、了解！！｣
掲げた手と手を合わせる。ハイタッチ、憧れてたんだろう。後ろで銀狼が野暮なことを言っているが聞こえない振りをする。
｢せ、千空！スイカたち子供チームにも…｣
金のこより作業をしていたスイカもやってきて恐る恐る千空に尋ねる。
｢あ゛〜電線はスイカ、テメーらに任せる！｣
｢ハイなんだよ！｣
またも空にハイタッチの音が鳴る。
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リサ(プロフ) - とても面白いです！続編楽しみにしてます (2021年2月18日 0時) (
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作者名：山 | 作成日時：2021年2月9日 9時
