第31話 ページ31
話の途中だったが私は村の女性たちに呼ばれて朝食の準備を手伝った。作業を始めつつある村のみんなに軽食を配っていると、
「お、丁度いいところに来やがったな。」
「ぅ、わ千空。」
昨日のこともあり少し身構えると、首根っこ掴まれてずるずるとラボに連れていかれた。ラボに入るとゲン君もいた。
「現代人のテメェらにはこっちを手伝ってもらうぜ。」
「手伝える気がしないわー。」
「同じく〜。」
「「ねー。」」
「仲良しごっこやってんじゃねぇよ。さっさと始めんぞ。」
ゲン君と息を会わせて千空に抗議するも軽くあしらわれて説明がはじめられた。
｢クッソ長ぇ手順だ。1mmもわかんねえだろうからカンタンに言うとな…
水酸化ナトリウムで煮た青い宝石を、貝・塩酸・アンモニアで結晶にしたら焼いてハチミツと混ぜる！｣
千空がそういえば、ゲン君はハッと顔を輝かせた。
「オッケ〜〜〜、もう完璧にわかっちゃったよ〜｣
「なんだ、思ったより簡単じゃん〜」
「｢ハチミツ！焼いてハチミツ！そこだけはわかっちゃった！｣」
ゲン君と同じ思考回路に行ったとのもすごいと思うが、私たちは息ぴったりに合わせてそう言うと、千空は呆れたように大きなため息をついた。
｢やっぱクロムのが100億倍マシか…｣
｢ていうかさ、誰が来てもリームーだと思うよこの説明理解すんの…｣
ゲン君は大きなため息を吐いてそう言った。私もゲン君の発言に同意見だ。私は何度も縦に頷いた。しかし理解できなくてもやることは変わらない。私とゲン君は千空先生の指示のもと作業に取り掛かった。
机の上にずらりと並ぶ実験道具を見るだけで昔を思い出す。壁に貼られた元素周期表、宇宙の惑星の図。棚には化学薬品や鉱石が並び、机の上にはビーカーやシャーレなどが置かれている。そこにはいつも父の後姿があって、私が部屋を覗くといつも手招きをして科学について話すんだった。
「Aちゃん…？」
手が止まっていた私はゲン君の声にハッとなって顔を上げた。するとゲン君と千空は心配そうに私を見ている。ゲン君が「大丈夫？」と言ってくれたので私は力なく笑って「大丈夫大丈夫」と答えた。
「ちょーっと考え事してただけ。」
「ならいいんだけど…。」
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リサ(プロフ) - とても面白いです！続編楽しみにしてます (2021年2月18日 0時) (
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作者名：山 | 作成日時：2021年2月9日 9時
