第23話 ページ23
コハクに呼ばれてここらで一番の大樹の前に集まる。もう日が暮れて辺りは薄暗い。
「ヤベー、雪だ。どうする、千空。テスト中止か？｣
さぁ始めようと言うその時、空からハラハラと雪が降ってきた。
｢いや、出来れば今日がいい｣
クロムの質問に千空が答える。今日がってことは、今日じゃなきゃ意味ないってこと？その疑問は電球の点灯と共に解決した。
「これ、イルミネーション…｣
「綺麗…。」
たくさんの電球をつけた木はキラキラと雪の中、光を放つ。ゲン君は隣でイルミネーションという懐かしい響きの単語を言った。なんだか一気に現代に戻ったみたいだ。
｢ここまで2ヶ月、けっこう長かったのぅ｣
｢いや、まぁ予定通りだ｣
予定通り？私は首をかしげる。ってことは千空は、今日このテストをやろって前から決めてたのか？するとゲン君が呟いた。
「クリスマス…｣
「え、今日が？」
偶然にもな、と千空はいったけどきっと嘘だろう。私は目を輝かせて輝く木を見上げた。本当に綺麗。にしても暦の感覚なんて今までなかったのに。季節のイベントがあるだけで心が潤うのはなぜだろう？
「これは科学チームに感謝だねぇ。」
「だね。」
私はゲン君と笑い合った。
・
翌日。
｢ヤベー！！｣
突然クロムが大声を発した。最近クロムの大声ばっかり聞いているのは気のせいだろうか。クロムは突然何かを思いつくから大声を出してしまうんだろうな。なんて勝手に分析する。
｢バッテリーと電球がありゃ行けんじゃねぇか、鉱石採りに！今まで行けなかった洞窟深くまで＿！！｣
確かに、奥深くまで行くには松明では限界がある。でもバッテリーと電球なら、それは可能。
｢洞窟の奥深くなんて面白ぇ石だらけにきまってんだろ！なのに松明じゃろくに探索もできねぇ。悔しかったぜ｣
｢バッテリーと電球がありゃその100億倍は漁れんな｣
｢おぅ、科学じゃまだまだ千空に勝てねぇけど、探索なら俺の方が何百億倍も上手だぜ！例によって足りねぇ素材があんだろ…！？クロム科学発掘隊、出動だぜ…！！｣
｢あぁ、足りない素材は＿＿＿＿＿＿＿ねぇ。｣
｢ねぇのかよ！！！！｣
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リサ(プロフ) - とても面白いです！続編楽しみにしてます (2021年2月18日 0時) (
レス) id: 9b03a16e86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山 | 作成日時：2021年2月9日 9時
