第11話 ページ11
「とっときの最後の火薬だ。これをハッタリに使う｣
そう言って千空は鉄の筒に火をつけた。
直後、ドォンと大きな音がなり、それに合わせてマグマが投げた石が水面に落ちた音がした。それはまるで本物の銃のような。
｢一旦引いて！この村ね、"銃が完成しちゃってる"！！｣
そう言ってグイグイと千空の持っている筒をゲン君が動かす。
｢ククク、テメーらがトロいからとっくに完成したぞ、科学王国がよ。科学の力で100億丁ほど銃を完成させたぞ｣
｢あぁ、君が噂の……
へぇ、きっと大喜びですよ。司クンも｣
そう言って氷月はその眼を楽しそうに見開いた。
｢司に伝えろ。石神千空は生きてるってな…！｣
堂々と言った言葉に氷月は満足そうに小さく頷いた。
「もう一つ確認したいことが。ここにAクンが来ていると推測したのですが？」
「A？知らねぇなぁ。ここには現代人は俺しかいねぇよ。」
「…そうですか。」
千空とゲン君のお陰で、氷月達御一行は一旦引いてくれた。ゲン君もそちらと一緒に向かった。私たちは橋へ向かい急いで金狼を引っ張りあげる。兄弟愛的なもので銀狼が引き上げると思ったが、終始泣きっぱなしだったため、代わってコハクが引き上げた。引き上げた金狼の傷を見る。
すると千空は雑に金狼の処置を始めた。
「おら！これで明日には完璧に治ってんだろ｣
「明日！？｣
「適当すぎんだろ……｣
変なところで雑な千空に思わずため息を着く。金狼のお腹に布を巻き付けて止血をする。まぁ、アセトアニリドは飲んだし、あとは止血して安静にしてれば良くなるだろう。門番の仕事が、という金狼を無理やり科学倉庫に連れていき寝かせる。
今回のことでよくわかった。
私も甘えてはいられないな。
「せ、ん、くぅ〜。」
「んだよ気色わりぃな。」
「私一応先輩。…じゃなくて、私にも武器作ってほしいなぁ。」
「…ダメだ。狙われてる自覚あんのか？」
千空は頭を搔いて深いため息をつくと逃げるように私に背を向けた。え、え、ちょ。私は咄嗟に千空の背中を掴んで引き留める。立ち止まるのを確認すると手を離す。
「お願い、ね？」
「…あぁ゛。この話はもう終わりな。」
「いや、あの…」
千空さん！？
話を強制終了させられた。
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リサ(プロフ) - とても面白いです！続編楽しみにしてます (2021年2月18日 0時) (
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作者名：山 | 作成日時：2021年2月9日 9時
