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『 会いたいなぁ 、 』
ベランダに出てタバコに火をつけていれば
無意識にふと口に出た言葉に ハッとする
きっと数ヶ月前のわたしには考えれないほど
彼の事で頭がいっぱいになっている
はァ、とため息をひとつ付いて再びタバコを咥える
「 誰に会いたいの? 」
いきなり聞こえてきた ずっと聞きたかった声に
急いで横を見ればベランダ越しに彼と目が合う 。
全てをわかっているかのような笑みを浮かべながら
此方を見る彼に涙を堪えながら近寄る
1枚の壁越しに相手の隣へと行けば 彼がこちらを見ながら言う
「 自惚れてもいいかな? 」
こくりと頷けば " ちょっとまってて " と言われ彼がいなくなる
しばらくしてインターホンがなりモニターも確認せずに急いで扉を開ければ 目の前にいる彼 。
思わず抱きついてしまえばゆっくりと扉が閉まると同時に優しく抱きしめてくれる
「 ずっと好きだった 、 俺と付き合ってよ 」
『 …はいっ 、 』
堪えきれず涙が溢れる 。
頬に手を添え涙を拭ってくれる彼を見つめれば、
そっと2人の影が重なった 。
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作者名:ちょこちゃん | 作成日時:2023年9月22日 1時