【暁のヨナ】スウォンの妹が広い世界を知る話 ［2］

２１、成長 ページ1

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どこかからすすり泣く声が聞こえてくる。

おれは耳をすまして
声のする方へ足を進めた。



どんどん奥へ進んで歩いていくと、
一人の少女が座りこんでいた。



『…父様…』



その声でそこにいる少女が誰か分かると
ホッと息をつく。






・




「____A」




そう声をかけると、


突然名前を呼ばれた少女はびくっ、と肩を揺らし
こちらに振り向いた。




「なにやってんだよ、そんな所で」


『‥‥ハクこそ』





オレはAの側まで足を進める。






・







しかし、その動きをピタリと止めた。



・




____ 泣いてんのか？





・







服の袖を目にあてながら、嗚咽をもらすその姿にオレは驚いて目を見張った。






* *





Aが泣いている姿なんて、
見たことがなかったからだ。







『来ないで』



ハクの視線が自分に向いてる事に
気付いたAが、顔をしかめる。






『あっち行って』






そう言われたハクは眉間に皺を寄せ、
ずんずんとAに近づいた。






『！あっち行ってって言って…』




ふいに、ハクの匂いに包まれる。






:




「一緒にいてやりますよ」





そう言ってハクは
Aを抱きしめた。






「オレを空気だと思えばいい」







すると、Aは余計に泣きだしてしまう。




_



アンタが泣いてると、
オレも悲しい気持ちになるんだよ、







「オレの前でガマンする必要ねェから」






泣いたとしても、
その後はもっと強い眼をして


必ず立ち上がるんだろ




* *

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