１３、敬愛 ページ13
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「ス、スウォン、父上が‥‥早く‥‥
医務官…を」
途切れ途切れにヨナ姫は、震えながら
何とか声を絞り出していた。
「イル陛下はもう目を開けません」
その言葉に、スウォン兄様が冷たく言い放つ。
「私が殺しました」
剣先から陛下の血が滴り、ポタポタと
静かに床へ落ちてくる。
ヨナ姫と私はその言葉に目を見開いた。
「な‥にを言って…あ…貴方は‥
そんな事…出来る人じゃ‥」
震える声で、表情を無くしたヨナ姫は
俯きながらスウォンに問いかけた。
「…貴女は知らない
Aあなたもです」
兄様は、私を真っ直ぐに見つめる。
その瞳は私を捉えているのかどこを見据えているのか私には分からなかった。
『兄様‥‥っ』
私はスウォン兄様を見つめる事しかできなかった。
「私がこの日の為に生きてきた事を」
「な…なぜ…父上は…貴方を幼い頃からとても可愛がって…」
眼に光を無くした兄様は、
ヨナ姫を見ることなく答えた。
「そうですね、私もイル陛下が大好きでしたよ
争いを怖れる臆病者だと囁かれても
それが陛下の優しさなのだと」
そして目を伏せ、静かに言葉を続けた。
「そうではなかった、
そうではなかったんです。
私達の父…ユホンを覚えていますか？」
父様…？？なぜここで父様の名前が、
兄様は私を見つめると私に問いかけてくる。
「A、父上は幼少時より勇猛果敢で利発
成人して軍を率いれば常に勝利を収める覇者でしたよね」
私は、ゆっくり頷いた。
ヨナ姫は静かに私達の
言葉に耳を傾けている。
「誰もが父上を時期国王になる事を望み
それを疑わなかった、そんな中」
兄様が話そうとしている内容は、
先王が長男である父様ユホンではなく
叔父のイル陛下をお選びになられた話‥
どうして今更その話題を…
『……先王は父様ではなくイル陛下をお選びになられたのですよね』
私が兄様の話の続きを口にすると、兄様は「ええ」と頷いた。
「しかし父上は笑っていたのです
私はそんな父上を誇り深く敬愛しました。」
『……兄様私も覚えています』
私も覚えている、父様が笑っていたこと
弟を守り民を守ると、言っていたあの日の光景。
『私もいつか父様と同じ物を見つめたい、そう願いました。ですが兄様、それがイル陛下を弑逆する理由なのですか？』
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猫田みるく(プロフ) - 羽琉さん» コメントありがとうございます！こんな作品で良ければお待ちくださると嬉しいです(T_T) (2019年6月22日 13時) (
レス) id: 944aada4e9 (このIDを非表示/違反報告)
羽琉(プロフ) - 続編待ってます！！ 応援してます！！ (2019年6月21日 21時) (レス) id: d4a111688e (このIDを非表示/違反報告)
猫田みるく(プロフ) - ルリさん» ルリさんありがとうございます(*‘ω‘ *) 私も初めてなので探り探りで頑張りますね！ (2019年6月21日 13時) (レス) id: 944aada4e9 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - スウォンの妹の小説がなかなか無いので嬉しいです！！！！お気に入りさせていただきました！！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年6月21日 0時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田みるく | 作成日時：2019年6月19日 23時
