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友達と構内を歩いてたら、海くんがいた。
彼女さんと、すっごく仲良さそうで。誰が見ても絵になる２人。
……羨ましかった。私も海くんと手を繋いで、歩きたいと思った。
人間は何度か美味しい思いをすると、正解なんてわからなくなる。
「ねえ、海くんと仲良くなりたいって言ったらどんな対価が必要？」
太「えー仲良し度合いにもよるなあ…どんくらい？」
「うーん…」
太「毎日お話するくらい？手を繋ぐくらい？キスするくらい？」
「……毎日話して、くだらないことで笑い合ってみたい」
そやなあ、と考えるポーズ。そして、じゃあそれやな、と太陽が指差したのは私のネックレスだった。
それは大学の入学祝いにお母さんがくれたもの。すごく大切にしてて、毎日肌身離さず付けてて。……これ、は。
「………いいよ」
太「ほんまに？」
「うん」
太「後悔せえへん？」
「……うん」
タカシはいつもみたいに可愛く笑って、私のネックレスをあっという間に消してしまった。
首元に触れてもいつものネックレスはそこにはなくて。
でも、これで海くんと話せる。寂しいけど、それを思えばどうってことないと思える気がする。
稜「あれ？あのネックレスは？」
「あー……切れちゃって。家に置いてる」
稜「まじで？あれ大事にしてたのにな」
「うん、ショック……あ、」
稜「？あ、海」
次の日の空きコマの時間。食堂で稜雅と喋っていると、にこにこしながらこっちに向かって歩いてくる海くん。……どうしよう。挨拶、とかした方がいいのかな…
「か…海くん、おはよう」
海「あ、Aちゃんおはよー！いっつも稜雅が迷惑かけててごめんね？」
稜「逆。俺が面倒見てんの」
海「あはは、でもいいじゃんこんな可愛い幼馴染がいてさ〜」
稜「…あ、はは、……なんか、どうした？」
海「ん？何が？」
稜「……いや、なんか珍しいじゃん、彼女以外にそうやって…」
さらりと言った「可愛い」って言葉に、すごくドキドキした。…やっぱり、かっこいい。かっこよすぎる。
海「ごめん俺もう行くわ、Aちゃんもまたね〜」
「う、うん！」
いつも通りうまく喋れなかったけど。それでもなんか、胸いっぱいで。
稜「……お前、海になんかした？」
「、いや、」
稜「………あ、そう」
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作者名：な な . | 作成日時：2019年2月25日 23時
