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稜「おい、これやる」
「え？どうしたの」
稜「おまけで二本出た」
食堂で友達を待ちながらお昼を食べていると、目の前に置かれたストレートティー。……タカシのおかげだ。なんだか妙に冷静になってしまった。
「ありがと、」
稜「おー、……あれ？」
稜雅の視線の先には………海くん。近くまで来た海くんは稜雅の視線に気付くと、ぱっと笑顔を見せてこっちにやって来る。
「えっ、どうしよ稜雅、こっち来た、」
稜「どうもしねーよ」
「えっ、待っ、」
海「おーい稜雅！」
ニコニコ笑顔でやって来た海くんは、かっこいい。すごくかっこいい。あーやっぱり今日もかっこいい。オシャレだしアッシュがかった髪も綺麗…
稜「何これ」
海「貰ったんだよ、ポケモン」
稜「だからってポケットからぶら下げるかよ」
海「だってかわいいんだもーん」
もん、って……！はあ、かわいい。かっこいいのにこんなにかわいいなんて、ずるい。
海「稜雅に言われたくないしー、ねえ？」
「っ、え？！」
海「稜雅とよく一緒にいるじゃん」
稜「もう腐れ縁だよ」
海「えーいいなあそういうの」
稜「いやいやいやこいつ本当めんどくさいから」
「それはこっちのセリフ」
海「あはは、やっぱ仲良しじゃん」
海くんがこっちを見てにこにこ笑ってて。それだけで頭が働かなくて、いつも通りの自分じゃいられなくなる。自分が自分じゃないみたいで。
稜「…もっと話せばいいじゃん」
「……だって」
稜「海の前でも俺といる時みたいに普通にしたらいいのに」
「それは無理！！」
いつも稜雅から言われる言葉。でも、だから私は海くんとはただの顔見知りのままなんだと思う。このままじゃ進展なんてあるわけない。
…でも今日はどうして海くんと少しだったけど話せたんだろう。タカシにお願いした訳でもないし。まあ、ただ運が良かっただけか。
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作者名：な な . | 作成日時：2019年2月25日 23時
