【学パロ】幼馴染が美少女すぎる件。【2j3j】 (ページ6)

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私は、人が恋に落ちる瞬間を見たことがある。

「Aちゃーん！こっちこっち！」

例えば、今とか。

『…ねぇ、周りの男の人、みんな姫のこと見てるよね』

？？「見てるんじゃね？」

彼女に向けられた男性陣の視線には、確かな熱がこもっていた。
毎朝こうなので流石に慣れたけど、初めて遭遇したときは謎に感動したのを覚えている。

『惚れたよね』

？？「惚れたんじゃね？」

さっきからゲームに夢中な彼…葛葉は、高校1年からの友達だ。
最寄駅は同じ、家は反対方向。でも私がひとりのときは家まで送ってくれる紳士な一面もある。

『清々しいくらい興味ないよね…』

笑顔で手を振る彼女の元に辿り着く頃には、周りの視線も気にならなくなっていた。

「あれ、葛葉くんもいたんだぁ」

葛葉「いちゃダメなんすかァ？」

『なんでそう喧嘩腰なの』

そうこの2人、なぜか犬猿の仲なのである。

「今日こそAちゃんと2人で登校できると思ったのにぃ」

電車に乗りながら、彼女が不服そうに呟く。

葛葉「高校も最寄駅も同じなんだから仕方ねえだろ」

「そこは空気読んで電車ずらすとかさぁ！」

葛葉「知らねえよそっちがズラせ！」

『電車内で大きい声出さない！迷惑かけないの』

「「………」」

注意してから静かにはなったけど、まだ何か言いたそうに睨み合っている。
案外相性の良さそうだし、素直になれば上手くいくと思うんだよね…もしかして。

『…葛葉って、好きな子には意地悪しちゃうタイプ？』

彼女に聞こえないよう、彼の耳元で囁いた。

葛葉「はあ！？なんだよ急に！そんなことしねーわ！」

口では否定しているものの、彼の顔がどんどん赤くなる。
…図星か。

『そっか、そうなんだね』

葛葉「なんだよその目！やめろ！」

「もーうるさいよ葛葉くん！」

『うん。私が悪かったから2人とも静かにね？』

葛葉にも可愛いとこあるんだな、なんて思ったのは胸の内に留めておこう。

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葛葉「お前のせいでAに変な勘違いされた気がすんだけど」

「告白しない葛葉くんが悪いんでしょ。早くしないと取られちゃうよ？」

葛葉「…は」

「…え？もしかして隠せてるつもりだった…？Aちゃんは鈍感だから気付いてないと思うけど…」

葛葉「…俺、そんなにか」

「うん。…ライバル多いけど、まあ頑張って」

葛葉「…おう」