【学パロ】幼馴染が美少女すぎる件。【2j3j】 (ページ41)

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ロビーで出迎えてくれたお兄さんの目には、涙が浮かんでいた。
どうやら気が気でなかったらしい。たかが2日、されど2日だもんね。

お兄さんの大きめのファミリーカーに乗り込む頃には、午後7時を回っていた。
元々私の母は夜勤、長尾家も空港までは迎えに行けないとのことで、彼女のお兄さんに送ってもらう手筈になっていたのだ。

長尾「あ、俺もここまででいいっす。すぐそこなんで」

私の家に着いたとき、彼がそう言った。
お兄さんは少しだけ考えて、まあいっかと私の家の前でUターン。
おやすみなさいの挨拶だけして、車が見えなくなるまで手を振り見送った。

ふと彼を見ると、何か考えているようだった。

長尾「…A、ちょっといいか？」

真剣な声色。月が翳り、表情はよく見えない。

『なに改まって。どうかした？』

長尾「いやその、なんつーか…」

珍しく歯切れの悪い問答の後、彼がゆっくりと口を開いた。

長尾「…ずはさんと何かあったろ」

その言葉に、私の身体が固まる。

『…わ、かる？』

長尾「分かる。何年一緒にいると思ってんだ」

『あはは…そうだよね。姫にも言われたよ』

長尾「あいつはなんて？」

『告白されて嬉しかった？って聞かれてさ』

長尾「…告、白？」

…しまった、何かあった？としか聞かれてないんだった。
自分で墓穴を掘ってしまったことに気が付いて、どんどん顔が熱くなる。
でももう、隠せない。

『…うん』

長尾「…付き合った、のか？」

彼は絞り出したような声で、そう聞いた。

『えっ！？…いや、普通そう思うよね。えっと…』

あの日の出来事を、彼に話した。

話し終わるまで静かに聞いていた彼が大きく息を吐く。
そして“よし”、と呟き、私の方を向いた。
その瞳は静かな熱を湛え…揺れていた。

長尾「…俺、怖かったんだ。この関係が崩れちまうのがさ」

『え…？』

長尾「そばにいれるだけで良い、これ以上望んじゃいけないって。…そう思ってた」

彼の瞳から、揺らぎが消えた。

長尾「でも、気付いちまった。誰かに取られるくらいなら、俺は、俺が…」

雲が晴れ、月明かりが私たちを照らす。
彼の顔はいつもより赤く、それでいて真剣で。
彼の瞳は、私を真っ直ぐ捉えて離さない。

それに続く言葉を、私は──…。

長尾「…A。俺じゃ、ダメか？」

…受け止められるだろうか。

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長尾「(困らせるつもりは、無かったんだけどな)」