【学パロ】幼馴染が美少女すぎる件。【2j3j】 (ページ40)

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時刻は午後6時。現在空の上です。
初回よりは慣れた空の旅もこれでお終いかと思うと、何だか感慨深く…ない！一刻も早く地上に降り立ちたい…！

戌亥「A、大丈夫そう？」

『行きよりはマシかな。多少慣れたみたい』

「つまり、いっぱい乗せたら平気になる…？」

『無理だよ？ならないよ？』

そっかぁ、と残念そうな彼女には申し訳ないが、身の安全を優先させてもらった。
こういうときの彼女は止めないと本当にやりかねないからなぁ…。

空の旅もあと30分で終わる、そんな頃。
不破が何か思い出したようにイブラヒムに問いかけた。

不破「んね、このプライベートジェットってイブちゃんのなん？」

イブ「ん、俺のやね」

…今、なんて言った？
信じられず周りを見ると、皆一様に驚いていた。
…フレンとメリッサは何に驚いているか分からないって顔してるし、叶さんも謎に落ち着いてるけど。

不破「え、マジで！？」

イブ「マジのマジ」

葛葉「流石に海は違うだろ。…違うよな？」

イブ「まあ流石にね」

不破「流石にか」

イブ「あれは親のやね」

長尾「…じゃあ別荘は？」

イブ「別荘も俺のだけど」

怒涛の展開に脳が追いつかないんだけど、イブラヒムのお父さんは一国の長か石油王か何か…？

叶「へえ〜、じゃあ別荘とジェット機がイブラヒムのなんだ」

イブ「そう。お古貰ったんよ」

別荘とジェット機のお古ってなんだ…？

衝撃の事実に気を取られ、その後続く会話も頭に入らず…気付けば空港に到着していた。
メイフたちはあと1週間別荘に滞在する予定らしく、私たちを降ろすや否やとんぼ返り。

…なんかもう、色々と規格外すぎる旅行でした。

───

その場で解散となり、私たちは空港の入口を目指し歩き始めた。

”またな”とだけ告げて去って行く葛葉の背中と、何も言えなかった自分を思い出す。
…葛葉は今まで、一体どんな気持ちで私の側にいてくれたんだろう。

「Aちゃん？どうしたの？」

俯く私を心配してか、彼女が顔を覗き込んできた。

『ごめんごめん、考え事してた』

「また〜？も〜、前見て歩かなきゃ危ないよ！」

彼女は頬を膨らませ、あからさまに怒ってみせる。
その頬をちょん、とつつけば空気が抜けて、ふんわりと笑ってくれた。

そんな私たちを見守る彼と目が合い、互いに微笑み合う。
…けれど、彼の眼差しがいつもと違うことには、気付けなかった。