【学パロ】幼馴染が美少女すぎる件。【2j3j】 (ページ35)

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2人で沈む夕日を眺めながら、来た道を戻る。
鼓動が少し落ち着いてきた頃、彼が口を開いた。

葛葉「…んで、返事は？」

どきり。
再び早まる鼓動を、深呼吸で落ち着かせる。
分かってたけど、今ここで答えなきゃなんだよね…？

私は考えに考えて、全て正直に話すことに決めた。

『…えっと、その…。葛葉のこと、そういう目で見たことなくて。だけど、これでお別れも嫌で…』

彼は何も言わず、私をじっと見つめている。

『都合良いこと言ってるのは分かってるんだけど、その…これからも変わらず、仲良くしてほしい、かな』

…暫しの沈黙が、永遠のように感じる。
先程までの和やかな空気はもう、跡形もなく消え失せていた。
分かってる、自分勝手だって。でも。
…大事な人を、失いたくないから。

そんな重苦しいとも言える空気を裂いたのは、彼の予想だにしない言葉だった。

葛葉「その気にさせたら勝ち、って訳か」

『…へ？』

不敵な笑みを浮かべる彼に、またもや理解が追いつかない。

葛葉「俺にもまだチャンスあるんだろ？」

『え、えっと…？』

彼の端正な顔がずい、と近付いた。
その瞳からは確かな決意が見てとれる。

葛葉「もう遠慮しねえから。…俺のこと、意識しろよ」

戸惑う私の耳元で、彼はそう囁いた。

思考がまとまらない。えっと、つまり、これからは…？
と、考え始めたところで、経験不足な私の脳はキャパオーバーした。

…もしかしなくても、私はとんでもない人に好かれちゃったのかもしれません。

─────────

叶「ご機嫌だね」

葛葉「まあな」

叶「うーん…第一関門突破ってとこかな」

葛葉「…」

叶「図星？…まだまだ先は長いねえ」

葛葉「うるせえ！こっから惚れさせりゃいいんだよ！」

叶「あはは。…うん、応援してる」

葛葉「…おう」