【学パロ】幼馴染が美少女すぎる件。【2j3j】 (ページ33)

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ビーチバレーに砂遊び、バナナボートなど思いつく限りの夏の遊びをしたところで、時刻は既に18時を過ぎていた。

戌亥「流石に疲れたなあ」

フレン「とこ先輩！歩けますか！？背負いましょうか！？」

戌亥「んーん、大丈夫」

長尾「盛大に振られてる人おるって」

『フレンは元気だね』

イブ「元気ってか下心だろ」

メリ「元気なフレンにはこのポールを授けよう〜」

フレン「えっ重！なにこれ！？」

そう、今から後片付けの時間です。
明日使わないものとか飛ばされそうなものを片付けなくちゃいけないわけですが。
ポールは重いしネットは巻かなきゃだし、浮き輪も人数分あるし…何気に大変だ。

「Aちゃん！あっちの浮き輪集めに行こ〜！」

彼女に腕を引っ張られ、少し離れた浜辺に置かれた(打ち上げられたが正しいかも)浮き輪を拾い集める。
…数が多すぎる。空気を抜いたとしても全部は持てないな。

叶「2人じゃ流石に無理でしょ。僕らも手伝うよ」

葛葉「なんで俺がこんなこと…」

どうしようかと悩んでいたら、叶さんが葛葉と一緒に来てくれて、なんとか回収成功。
両手いっぱいに浮き輪を持つ彼女が可愛い。埋もれてる。

…そんな彼女を、叶さんも微笑ましそうに見つめていた。

叶「じゃ、僕ら先に戻るから」

「え？わ、叶くん！？」

叶さんが彼女から浮き輪を半分奪い取り、空いた腕を引いて戻っていく。
彼女は何か言いたそうな表情で私たちを見ていたが、覚悟を決めたようにぎゅっと口をつぐんで、また開いた。

「…BBQの準備、時間かかると思うから！ゆっくり帰ってきてね！」

一瞬、彼女が泣いてしまう気がした。
…実際はそんなこともなく、いつものように笑う彼女がいただけだった。

『…あ、うん！わかったー！』

遠ざかっていく2人に手を振り、大きな声で返事をした。
手を振り過ぎたのだろうか、浮き輪をひとつ落としてしまった。

彼女は手を振り返しつつ、葛葉に何かを伝える。

葛葉「…おう」

その呟きも、彼女の想いも。
砂浜にしゃがみ込む私には、届かなかった。

─────────

「…なに、叶くん」

叶「素直に引き下がっちゃって、らしくないじゃん」

「…葛葉くんが悪い人じゃないのは知ってるし」

叶「譲ってあげたんだ。…えらいね」

「…弱みにつけ込むなんて卑怯だよ」

叶「なりふり構ってられないからさ。…ね、良い加減靡いてよ」

「…やだ」