【学パロ】幼馴染が美少女すぎる件。【2j3j】 (ページ23)

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『ごめん、さっきは何も聞こえなくて。でも、なんで刀也が…？』

剣持「長尾さんに頼まれて様子見に来た。ほら」

彼はそう言って私に合鍵を見せた。
私たち幼馴染は親同士の仲が良いこともあり、それぞれの家の合鍵を持たされている。
キーカバーの色は紫。…確かに長尾のものだ。

剣持「…ていうか、午前練終わったら行くって連絡しておいたんだけど」

朝起きてすぐ見たはずのスマホには、彼からのメッセージが未読で表示されていた。

『…あ、ほんとだ。気づかなかった』

剣持「家着いて早々倒れてるA見つけた僕の気持ち分かる？」

『ごめんってば』

剣持「まったく…倒れたこと、お母さんには連絡しておいたから」

『わ、ありがとう！…怒ってた？』

剣持「めちゃくちゃ心配してた」

『だよねぇ…。長尾には？』

剣持「それは自分で言いなよ」

『言わないよ、心配かけたくないし。…2人だけの秘密ってことで』

剣持「既に3人だろ」

彼の鋭いツッコミに思わず笑みがこぼれる。

『あ、薬飲めてないんだった。取ってこなきゃ』

剣持「いい、やるから。他にいるものある？」

そう言われ、少し考える。
確か冷蔵庫にゼリーとプリンがあったはず…お願いしようかな。

───

『ゼリーおいし〜…刀也も食べる？』

大きめの桃を乗せたスプーンを差し出すと、露骨に嫌がられた。

剣持「そういうのは元気になってからやってもらえます？」

彼は彼でプリンを食べている。私からのお礼だ。

『…思ってたより弱ってたみたい。助かったよ』

剣持「昔からAが1番体弱いのに自覚ないんだ」

『高校入ってから無かったし…正直克服したと思ってた』

剣持「遠足の前日に高熱出す人が何言ってんの」

『小学校の話じゃん』

剣持「中学もだよ」

『細かいなあ』

なんて懐かしい話をしていたら、母から「もうすぐ着く！」と連絡が来た。

剣持「じゃあ僕はお役御免みたいなんで」

『本当にありがとう！また学校でね』

玄関まで見送ろうとしたけど、それも止められた。
…また末っ子に迷惑かけちゃったな。

─────────

長尾「A、どうだった？」

剣持「本調子では無いですけど、いつもの減らず口叩けるくらいには元気でしたよ」

長尾「そーか！それならよかった！ありがとな、またお礼させてくれ」

剣持「いえそんな。鍵はポストに入れておきますね、じゃあ」

剣持「(…僕とAだけの秘密、か)」