【学パロ】幼馴染が美少女すぎる件。【2j3j】 (ページ22)

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今日は遊園地デート当日！
…なんだけど、不覚にも夏風邪を引いてしまいました。

『”ごめんね、楽しんできてね“っと………っくしゅ』

金曜日から体調が悪くて学校も休んじゃうし、今日だってドタキャンで皆に迷惑かけちゃうし…。
ただの風邪でよかったけど、よりによって大事な日に穴を空けてしまうなんて。

前売りチケット、人数分あったのに申し訳ないな…と思いつつ、ローレンが誰を連れてきたのかも気になる。
まあとにかく…楽しんでるといいな。

お腹が空いたのでキッチンに向かうと、母が作ってくれたらしいお粥があった。
仕事休めなくてごめんね、と一筆添えられている。
熱が高いのか、いつもよりぼーっとするけど…それ以外はただの風邪だし気にしなくて良いのに。

ぱっと食べて薬飲んで寝ようかな、と温め直したお粥をひとくち。

『…おいし。お粥なんていつぶりだろう…』

最後に体調を崩したのは…中学3年生の頃。
あのときは受験も控えてたしめちゃくちゃ焦ったなあ…。
と、昔を思い出しながら食べられる分だけ食べ終えた。

薬を取ろうと立ち上がると眩暈…というよりは視界全てが歪むような感覚に陥った。
立ちくらみはよくある、ちょっと待てば治まるけど…
なんか、やばいかも。

その予感は的中した。
私は平衡感覚を失い、床に座り込んでしまった。
体が言うことをきかない、視界がどんどん狭まっていく。

そのとき、玄関から何か物音がした。
誰かが倒れている私に気付いて駆け寄ってくる。
肩を抱かれ、何か必死な様子で口を動かしていることだけかろうじて見える。
でも、何も聞こえない。

大丈夫って、伝えなきゃ。

『めまいが、ひどくて…だいじょうぶ、だから…』

？？「ーーー〜〜……」

『なに…？ごめん…きこえなくて…』

暫くして、身体が宙に浮く感覚に襲われた。
…これって、もしかして、お姫様抱っこされてる…！？

内心パニックの私はそのまま自室のベッドに寝かされ、誰か…(私を運べたんだからきっと男性だな)…彼に頭を撫でられた。

…倒れてからどれくらい経っただろう。
次第に視界が少しずつ広くなり、周りの音も聞こえるようになってきた。
その間、彼はずっと私の手を握っていた。細くて長い指、短く切り揃えられた爪、それでいて手のひらのゴツゴツした感触…。

思い当たるのは、1人しかいなかった。

『…とうや？』

私の声に気付くと、彼はこちらを見て優しく微笑んだ。

剣持「…やっと気付いた」