アオハル (ページ11)

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7月に入り、期末試験前、更には受験生ということもあり、空気は少しピリついていた。

「広瀬さんって、どこの大学受けるん？」

私の隣は、何回かの席替えの後、長尾くんになっていた。

『まだはっきりとは決まってないんやけど、A大受けてみようかなって思ってる』

「え、めっちゃ偏差値高いとこやん！すごいなあ」

『全然。まだこれからやから。長尾くんは？』

「俺は服飾の専門かな。服好きやし」

確かに、長尾くんはオシャレさんなイメージ。

いいな、はっきりとした目標があって。

道枝くんは進路どうするんだろう。

席替えをしてから話すことはほぼなくなって、連絡先も持っていないから話すのは委員会の時くらい。

まあほぼ高橋くんとしゃべってるから話せてもほんの一言二言しかないんだけど。

『そういえばみっちーもA大って言うてたな』

「そ、そうなんや」

私の心を読んだかのように彼の名前を出されて少し動揺してしまった。

「…なるほどね」

『何が？』

「別に何でも～？」

そういって長尾くんは机に突っ伏して寝てしまった。

長尾くんが何に納得したのかは分からないけど、道枝くんが自分と同じ大学志望だと知って、やる気を出す単純な自分がいた。

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