7.小さな先輩 ページ7
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「僕はチャック！分からない事があったら何でも聞いてね。他の人と比べるとここでの生活はそんなに長くはないけど…。」
見れば見るほど男の子って感じがする。
先輩になれた感じがして嬉しいんだろう。
自然に、笑みがこぼれる。
「…よろしくチャック。私はA。沢山頼るね。…ありがとう。」
そう言うと、チャックは満遍の笑みで頷いてくれた。私たちの会話を聞くアルビーも微笑んでいてなんだか嬉しくなった。
「さて、俺は他にやる事がある。…チャック。彼女を頼んだぞ。」
「わかった。」
背を向けて、小屋を出て行くアルビーを、チャックと見送る。
「…、でも本当にビックリしたー。女の子なんて初めて見たよ。」
「…でもアルビーみたいないい人が居て良かった。」
もちろんチャックもね、と言うと彼は嬉しそうにして彼女の手を引いた。
「ねぇ！A。行っちゃ駄目だってば！！」
危ないよ、と小さな声で言うチャック。
それでもAはどんどんと、壁の方へと向かっていく。
ずっと、気になっていたあの壁。あの向こうには何があるのか。よく見ると、壁と壁の間に細い道がある。が、奥の方が暗くなっていてその先は見えなくなっていた。
「…どうして？」
「分からないけど、アルビーが行っちゃ駄目だって。…それに、迷路にはランナーしか入れないんだ。」
「……迷路？何？ランナーって、。」
チャックは、戸惑いの表情をした。
他の話を、と考えつつ彼女の質問に答えるのはよそうと判断した。
初日で、まだ他に教えなければいけない事も沢山ある。そんな中で、迷路やランナーについて話せばその事が頭から離れなくなるだろう。
これが彼の出した答えだった。
「…えっと。とりあえず今日はやめておこう。せっかくのパーティーの日だからね。」
「…パーティー？」
Aはチャックにそう聞くと、チャックの表情は戸惑いから笑顔に変わっていた。
「うん。だから皆んなその準備で忙しいんだ。」
「…そっか。」
チャックの話を聞きながら、彼女の視線は壁の方を見つめたままだった。
チャックも同じく、壁の方を見ていた。
彼女の中で、やはり知りたいと思う部分はあった。だが、知ってしまったら面倒事に巻き込まれそうだと彼女は思う。
「戻ろうか。」
この後、彼女の予想は当たってしまう。
予想以上に面倒な事になり、それにもう巻き込まれているのを彼女はまだ気づいていない…。
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未確認生物(プロフ) - あの、メイズランナー大好きです。私も書きたいと思ってます！ (2021年1月19日 21時) (
レス) id: 1ab2c3b0b2 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - はい！頑張ってください！待ってます！ (2019年6月20日 17時) (レス) id: 5764f95332 (このIDを非表示/違反報告)
おわに(プロフ) - ありがとうございます！更新は遅めですが、これからもよろしくお願いします！！ (2019年6月17日 22時) (レス) id: 418a4a3702 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - 更新楽しみにしてます！ (2019年6月17日 22時) (レス) id: 5764f95332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おわに | 作成日時：2019年5月13日 2時
