26.おかえり、君を待ってた ページ26
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彼女は思った。
ある意味、この罰は好都合。
この場所に来て、ランナーの存在を知った時から、Aはランナーに興味があった。
ランナーであるミンホたちにも興味があったが、一番はこのグリードの中で、最も外の世界に近い仕事だと思ったからだった。
「…確かに。あのグリーバーが逃げた今、もしもの時の犠牲が私になるなら、充分な罰だと思う。」
Aは、ギャリーの方を見ながら賛成の言葉を述べた。
挑発をするでもなく、ただ単に彼女はギャリー含めこのグリードの仲間たちの納得のいく方へ話を進めたいと思っただけだったのだ。
「そうか、A自身がいいと言っているなら、俺は止めない。だがそれは、それほどの走りが君に出来るからだ。そこを分かっててくれ。」
Aは頷く代わりに少し微笑んだ。
彼女は再び、ギャリーを見る。
ギャリーは面白くないと言いたげな顔をして、彼女から視線を逸らした。
「勝手にしろ。どうせ長くもたない。」
「よし、話しは終わりだ。皆んな仕事に戻ってくれ。」
ギャリーの嫌味ったらしい言葉を聞きながらも、アルビーは仲間たちに指示を出す。
ぞろぞろと男たちは席を立ち、外に広がっていく。
「ミンホ、まずその足を冷やせ。あの話はその後だ。」
「ああ。A、後でデッド・ヘッドに来てくれ。」
「…うん。分かった。」
アルビーの補助で歩くミンホに肩を軽く叩かれる。
周りを見れば、すでに皆んな仕事に取り組んでいた。
熱心だな、と思いながらもAは機嫌の悪そうな顔をしたニュートと目が合った。
「……。」
「…俺が止めてもランナーをやるんだろ。」
その真っ直ぐな目に、彼女は視線を離すことが出来ない。
けど、改めて彼がどんな人間なのか理解した。
彼は優しくて、いい人。
紳士的な、いい人。
知的な、いい人。
兄弟か何かが出来たようで、Aは彼を心強いと思っていた。
眉間にしわを寄せてこちらを見る彼とは反対に、彼女は微笑もうとする。
するとーーー
「ニュート？」
ニュートは彼女の頭の上に手を置いて、今度は笑った。眉を八の字にして。
「…ごめん、怒ってばかりで。」
帰って来た事に安心しすぎた。
そう言った彼は、言いながらAの頭を優しく撫でた。
撫でられるのが嬉しかったのか、彼女は目を細めて微笑む。
「ううん…ありがとう。」
ニュートは笑う。
「おかえりA、君を待ってた。」
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未確認生物(プロフ) - あの、メイズランナー大好きです。私も書きたいと思ってます！ (2021年1月19日 21時) (
レス) id: 1ab2c3b0b2 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - はい！頑張ってください！待ってます！ (2019年6月20日 17時) (レス) id: 5764f95332 (このIDを非表示/違反報告)
おわに(プロフ) - ありがとうございます！更新は遅めですが、これからもよろしくお願いします！！ (2019年6月17日 22時) (レス) id: 418a4a3702 (このIDを非表示/違反報告)
めろん - 更新楽しみにしてます！ (2019年6月17日 22時) (レス) id: 5764f95332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おわに | 作成日時：2019年5月13日 2時
